研究課題/領域番号 |
19K18707
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
平山 貴士 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20816962)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | リンパ浮腫 / インドシアニングリーン蛍光造影検査 / リンパ管蛍光造影検査 / リンパ管静脈吻合術 / 卵巣がん / 子宮頸がん / 子宮体がん / LVA / 婦人科癌 / インドシアニングリーン 蛍光造影検査 |
研究開始時の研究の概要 |
婦人科癌に対するリンパ節郭清術前後のリンパ管機能を、直視で観察することができるインドシアニングリーンリンパ管蛍光造影法を用いて経時的に評価し、臨床症状、術後経過との関連を分析することで、リンパ浮腫発症のリスクファクターをリンパ管機能の側面から解明を試みることが本研究の目標である。我々の最終ゴールは術前のリンパ管機能をふまえたリンパ管機能を障害しないような新たな術式の確立である。
|
研究成果の概要 |
下記2つの大きな成果が得られた。(1)約20%の患者で術前にすでにリンパ浮腫発症を意味するDBを認めており、その全例で術後に増悪した。(2)術後9ヶ月までに67.5%の患者でDBを呈し、そのうち80%は自覚症状を伴わなかった。 この中で特に、生来のリンパ管機能が低い潜在性リンパ浮腫の患者が約20%存在することは興味深い。これらの患者に対するリンパ節郭清はリンパ浮腫を顕在化させる可能性がある。すなわち、この20%の患者は、「術前に同定可能なリンパ浮腫発症高リスク患者」と言える。つまり、術前にICGリンパ管蛍光造影を行うことで、リンパ浮腫発症高リスク患者を抽出することが可能であることを見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の今までの結果により、仮説通りある一定の確率で生来のリンパ管機能が術前に低下している婦人科癌患者がいることが示された。このリンパ管機能が低下している患者は術後も改善することなく、増悪する傾向にあり、「リンパ浮腫発症高リスク群」と言える。本研究のようにICGリンパ管蛍光造影検査により、術前に「リンパ浮腫発症高リスク群」を同定することができれば、術後の早期介入により将来的なリンパ浮腫の症状を軽減、さらには発症予防につながる可能性がある。本研究の成果は将来的に、約20-30%程度の罹患率と言われるリンパ浮腫患者自体を減少させる可能性がある極めて社会的にも経済的にも意義のあるものである。
|