研究課題/領域番号 |
19K18709
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
柏木 寛史 東海大学, 医学部, 助教 (10710460)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | Pregnancy zone Protein / 妊娠 / 免疫異常 / 炎症性疾患 / 流産 / Pregnancy zone protein / 妊娠関連タンパク質 / 自己抗体 / 抗胎児抗体 / 妊娠免疫 / 胎盤 |
研究開始時の研究の概要 |
自己抗体、抗胎児抗体によって誘導される免疫学的異常は流産を引き起こす一方で、これら抗体の存在下でも流産せず正期産に至る妊婦も存在する。自己抗体陽性の正期産に至った妊婦において、正常妊婦よりPregnancy zone protein(PZP)が高値となる症例を経験し、自己抗体陽性妊婦の流産をPZPが阻止している可能性が考えられた。 本研究では、これらの抗体陽性妊婦の流産におけるPZPの発現量との関連性および構造変化を解析し、PZPの量的変化と妊娠維持の関連性をマウスモデルで明らかにする。PZPの発現や機能の変化がこれら抗体陽性妊婦の流産の発生に関与しているのかどうかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究成果はPZPが炎症を感知して発現亢進し、組織局所でリンパ球浸潤を抑制して炎症制御に働く可能性を示したことである。胎盤局所に炎症を来す炎症性異常妊娠においては、PZPは胎盤の炎症を抑制し、流産や胎児機能不全から保護的に働く可能性が考えられた。また、胎児組織は胎盤から母体循環に流入するが、母体全身を循環するPZPがアログラフトによる免疫応答を抑制し、妊娠中の免疫環境を維持する可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PZPは血漿タンパク質であり測定が容易でモニタリングに適するため、抗体産生が原因となる流産や免疫に関連したトロフォブラスト形成不全に伴う産科合併症の発生を早期診断し、病状の評価にも有用である可能性がある。また液性タンパク質であり合成が容易で、これらの予防や治療に関する研究面での新たなアプローチや創薬にも道を開く可能性がある。また、本研究のマウスモデルは、胎盤局所のみならず、全身性の免疫調節にPZPがどのように寄与するのか明らかにするために有用である。
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