研究課題/領域番号 |
19K18711
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
|
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
村川 裕子 日本医科大学, 医学部, 非常勤講師 (80465286)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | キスペプチン / 卵巣 / ラット / メスラット / 排卵 |
研究開始時の研究の概要 |
キスペプチンは視床下部キスペプチンニューロンから分泌される神経ペプチドで、GnRH/LH分泌を制御している。ヒトにおいて末梢より投与されたキスペプチンがLHサージを誘導し、hCG製剤やGnRHa製剤と同様に卵成熟・排卵のトリガーとなることが報告されており、近い将来に生殖医療への応用が見込まれている。一方、卵巣においてもキスペプチンおよびキスペプチン受容体が発現していることが報告されているが、生理的役割は明らかではない。本研究では、周排卵期の卵巣におけるキスペプチンおよびキスペプチン受容体の発現変化と、LHサージ誘導目的で末梢より投与された場合の卵巣における局所作用の詳細を解析する。
|
研究成果の概要 |
外因性キスペプチン投与による卵巣の内因性キスペプチンの発現変化を解析するため、まずは卵巣の染色方法の確立することとした。脳サンプルでは既に染色方法が確立されており、ラット卵巣でキスペプチンを免疫染色した報告もあるため滞りなく進むと考えていた。しかし様々な条件を検討したが、本研究では卵巣の内因性キスペプチンは染色できなかった。また、ニューロキニンB(NKB)やダイノルフィン(Dyn)も脳サンプルでは染まるが卵巣では染まらなかった。一方で性ホルモン合成にかかわるStARは発現が一致する細胞に陽性反応がみられたため、キスペプチンやNKB、Dynは脳と比べて卵巣での発現が非常に低い可能性が考えられた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
キスペプチンは卵胞発育や排卵に関与するホルモンであり、今後臨床での応用が期待される。特に多嚢胞性卵巣症候群 (PCOS: polycystic ovary syndrome) 患者に排卵のトリガーとして用いることで、重篤な合併症である卵巣過剰刺激症候群(OHSS: ovarian hyperstimulation syndrome)の予防も期待されている。外因性キスぺプチン投与による卵巣内因性キスぺプチンへの影響を明らかにすることは、安全な医療の提供に貢献できると考えられる。本研究では免疫染色で卵巣でのキスぺプチン発現が確認できなかったが、今後も染色法など工夫して検討していく。
|