研究課題/領域番号 |
19K18712
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
坂本 人一 金沢医科大学, 医学部, 助教 (00735350)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | HPV / 子宮頚癌 / PCR / インテグレーション / 子宮頚部腺癌 / インテグレート / HPVタイピング / 多重型HPV感染癌 / HPV陰性癌 / 子宮頸癌 / ヒトパピローマウイルス / 組織マクロダイゼクション / ジェノタイピング / マイクロダイゼクション |
研究開始時の研究の概要 |
発癌能のあるハイリスクHPVは子宮頸癌を誘発しますが、常に一種類のHPVが最終的に癌化の原因になると考えられています。しかし、約1割程度の子宮頸癌にハイリスクHPV型の多重型感染が認められ、それらの病原HPVは不明なままでした。本研究は、多重型HPV感染癌の中から真の病原HPVを特定することで、日本の子宮頸癌に対する真のハイリスクHPV型を同定し、将来の子宮頸癌予防に役立てることを目的としています。
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研究成果の概要 |
HPV陰性癌とHPV多重感染癌の実態調査のために、HPV陰性癌とされた16症例と多重型HPV感染癌の9症例をマクロダイゼクションと発癌に必須な新規PCR法で解析を行った。その結果、すべての多重型感染の原因HPVを特定した。また、HPV陰性癌の約半数はHPVが陽性であった。結果の乖離を認めた症例ではE1、E2遺伝子が部分あるいは全欠失しており、これらの症例ではHPV-DNAが高頻度にインテグレーションしている可能性が示唆された。インテグレート型HPVはエピソーマル型と比べてDNAのコピー数が少ないことがわかっており、乖離の原因としてはHPV検出アッセイの検出感度が関係していると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究は、HPV陰性とされたがんがHPV陽性であることを明らかにし、多重感染癌の中でも単一のHPVが癌化に寄与していることを示した。HPV偽陰性だった症例の多くは、HPVゲノムのインテグレーションが高率にみられたことは新たな知見であり、遺伝子の欠失とDNAのインテグレーションががんの進展と関係していることが示唆された。HPV単独検診や併用検診についての議論が日本でも出ているが、今後のスクリーニング法を議論するうえで、より検査感度の高いアッセイの開発が必要であることが示唆された。
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