研究課題/領域番号 |
19K18713
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
高矢 寿光 近畿大学, 医学部, 講師 (60734689)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 卵巣癌 / がんゲノム / 相同組換修復 / 化学療法 / HRD / BRCA1 / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
卵巣高異型度漿液性癌(HGSOC)は,上皮性卵巣癌の中で最も頻度が高くかつ予後不良な疾患である.近年,HGSOCに対する分子標的薬剤であるポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤が保険適用となり,そのバイオマーカーとして遺伝子修復機構の一つである相同組換え修復の異常(HRD)が注目されている.HRDをスコア化してバイオマーカーを探索する様々な研究が行われているが,確固たるバイオマーカーは確立していない.本研究では多角的な腫瘍ゲノム解析から新たな治療効果を予測するバイオマーカーを探索する.
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研究成果の概要 |
卵巣高異型度漿液性癌(HGSOC)は、約半数で相同組換え修復(HRR)の異常(HRD)が認められる。HGSOCのゲノムデータを解析し、HGSOCでのHRDを定量化したHRDスコアのカットオフ値を63が妥当であること、HRDを引き起こすHRR関連遺伝子の変異・エピジェネティック変異、それぞれの変異の有無で予後が異なること、化学療法前後でHRDスコアが変化すること、HRDスコアとBRCA1/2遺伝子変異、LOHの有無との関連性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
化学療法前後でHRDスコアが減少するということは、化学療法によってHRDの形質を有する腫瘍細胞が減少したということであり、残存した腫瘍には化学療法耐性が存在し、その腫瘍はHR-proficient(HRP)であることを示唆する。また再発時にHRDスコアが上昇しており、HRPの腫瘍が再増殖するためにはHRDの形質を獲得する必要がある可能性がある。化学療法前後でBRCA1遺伝子のLOHの有無が変化していることより、HRPの腫瘍にBRCA1遺伝子のLOHが加わることで増殖能を獲得する可能性があり、今後のHGSOCの治療において新たなターゲットとなる可能性が期待できる。
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