研究課題/領域番号 |
19K18718
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中薗 彬 北海道大学, 大学病院, 医員 (90581041)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 好酸球性副鼻腔炎 / IL-12 / 鼻茸 / 自然免疫 / Toll様受容体 / 鼻ポリープ / インターロイキン12 / ILC2 |
研究開始時の研究の概要 |
好酸球性副鼻腔炎を典型例とする鼻茸を伴う副鼻腔炎(CRSwNP)では、その病態に自然リンパ球2型(ILC2)や2型ヘルパーT細胞(Th2)が関与していることが判明している。インターロイキン12(IL-12)は、ILCやThをそれぞれILC1やTh1に誘導することで、Type1優位の免疫応答を誘導することがわかっているが、副鼻腔炎では発現が低下している事がわかっている。副鼻腔炎の病態におけるIL-12の関与を明らかにし、IL-12を標的とした新規治療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
好酸球性副鼻腔炎では鼻副鼻腔粘膜におけるタイトジャンクション(TJ)の形成低下およびバリア機能低下が発症メカニズムにおいて重要である。インターロイキン12(IL-12)のバリア機能への影響を確認するため、IL-12投与によるバリア機能への影響を評価した。好酸球性副鼻腔炎および非好酸球副鼻腔炎いずれの群においても、IL-12投与によるバリア機能の有意な差を認めなかった。またTJを構成するタンパク質であるZO-1について免疫蛍光染色法で評価したが、発現に有意差を認めなかった。これらの結果からは、IL-12は鼻腔粘膜上皮細胞ではなく粘膜下組織において作用している可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
好酸球性副鼻腔炎は両側鼻腔の鼻茸および粘稠な鼻汁により、高度な鼻閉と嗅覚障害を示す難治性の疾患であり、厚生労働省が定める指定難病の一つである。発症機序は未解明であり、そのメカニズムを明らかにすることは新規治療法を開発する上で非常に重要である。今回の研究によりIL-12粘膜内ではなく粘膜下で作用している可能性が考えられ、今後これらの研究をすすめ発展させていくことでその病態生理を明らかにできる可能性がある。最終的にはIL-12による好酸球性副鼻腔炎の新規治療法開発につながる可能性がある。
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