研究課題/領域番号 |
19K18719
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
工藤 直美 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (30770143)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 好酸球性中耳炎 / 上皮性サイトカイン / 樹状細胞 / 自然免疫 / マクロファージ / 内耳性難聴 |
研究開始時の研究の概要 |
好酸球性中耳炎は1992年に「気管支喘息患者に合併する難治性中耳炎」として初めて報告 された。本疾患の問題点は従来の抵抗性であること、また中耳炎でありながら不可逆的な内耳性難聴を引き起こす点である。好酸球性中耳炎患者のおよそ半数に内耳性難聴の合併を認め、6%が重度難聴(聾)に至ることがわかっている。内耳性難聴が従来の慢性中耳炎の10倍もの速度で進行するとする報告もある。これらは患者のQOLを著しく阻害する重大な問題である。「中耳の炎症がどのように内耳性難聴を進行させるのか」を解明するため、好酸球性中耳炎モデル動物の内耳標本を用いて好酸球性炎症に関わる種々の因子の役割をについて研究を行う。
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研究成果の概要 |
好酸球性中耳炎は難治性であり、約6%の症例が不可逆的な内耳性難聴をきたす。その病態解明は重要であるが、本疾患の患者の中耳や内耳を直接観察することは困難である。われわれは、本疾患のモデル動物を作成し、その中耳・内耳標本を用いた研究を継続している。その研究を通じて、上皮性サイトカインであるTSLPや樹状細胞、マクロファージなどの自然免疫系における種々の因子が本疾患に関与していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
気管支喘息などのアレルギー疾患では、アレルゲンの侵入に対して上皮性サイトカインであるTSLPが産生され、その刺激を受けた樹状細胞が好酸球性炎症を引き起こすことが知られていた。本疾患のモデル動物を用いて検討したところ、モデル動物の中耳粘膜においてTSLPや樹状細胞が検出され、その関与が示唆された。またこれらの因子は鼻腔後方の上咽頭に通じる耳管周囲に多く見られたことから、耳管を介したアレルゲンの侵入が発症に関与している可能性も示唆された。このことから喘息や好酸球性副鼻腔炎などの気道炎症の症状をコントロールし、炎症を抑制することが本疾患の発症予防につながると期待される。
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