研究課題/領域番号 |
19K18720
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大越 明 東北大学, 大学病院, 講師 (70772979)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | セレン / 感音難聴 / 酸化ストレス / 含セレンタンパク質 / 転写因子Nrf2 / 含セレン蛋白質 / Nrf2 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は突発性難聴の病態解明における新たな視点として酸化ストレス防御に働く含セレン蛋白質に注目する。含セレン蛋白質は必須微量元素セレンを活性中心に含み、転写因子Nrf2と共に生体の酸化還元恒常性維持に重要な役割を果たしている。感音難聴発症には活性酸素種の関与が知られており、Nrf2活性化により予防できることが明らかになってきた。含セレン蛋白質の多くはNrf2の標的遺伝子であると同時にNrf2の活性にも影響を与えることから、セレン欠乏により急性感音難聴発症リスクが高まるという着想に至った。本研究はセレン欠乏による感音難聴発症のメカニズムを明らかにし、臨床応用につなげることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、酸化ストレス防御に働く含セレン蛋白質に注目し、必須微量元素セレンの欠乏による感音難聴発症のメカニズムを明らかにし、 臨床応用につなげることを目的としたものである。 本研究は、マウス遺伝学による基礎研究と、耳毒性をもつ代表的薬剤シスプラチン投与をうける頭頸部がん患者における観察研究を併行して行なった。マウスにおいて音響暴露後にABRにて聴力評価した結果としては、低セレン餌の飼育のみでは、通常餌と比べてABRの値に有意な差は認められなかった。Nrf2欠失マウスを低セレン餌で飼育して、同様の検討をすすめているが、安定した結果が得られておらず、仮説の検証は途中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
低セレン環境は音響暴露による感音難聴の直接の危険因子であることは証明されなかった。しかしながら、同時にすすめた頭頸部がん患者における観察研究においては、低セレン状態は急性感音難聴発症には影響を与えないものの、放射線化学療法の副作用に影響し、完遂率を低下させる要因であることが明らかになった。セレンに代表される微量元素や栄養管理の重要性はますます高まることが期待される。
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