研究課題/領域番号 |
19K18723
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
籠谷 領二 帝京大学, 医学部, 助教 (90707762)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 好酸球 / 好塩基球 / 嗅上皮 / 好酸球性副鼻腔炎 / 嗅覚 / TSLP / TSLP / 嗅覚障害 / 神経 |
研究開始時の研究の概要 |
好酸球性副鼻腔炎は、鼻副鼻腔に多数の好酸球浸潤を伴う鼻茸を有する疾患であるが、その病態生理には未解明な部分が多い。嗅覚障害は好酸球性副鼻腔炎に伴う代表的症状であり、鼻茸による伝導性障害が主な原因と考えられてきたが、神経性障害の存在も示唆されている。本研究では、好酸球性副鼻腔炎に伴う神経性嗅覚障害の機序解明を目的とする。まず皮膚でTSLPを誘導することにより鼻副鼻腔に好酸球性炎症を起こすマウスモデルを作成し、嗅粘膜上皮及び嗅球の組織学的変化や炎症性サイトカイン量変化について解析する。最終的には、好酸球性副鼻腔炎に伴う神経性嗅覚障害の機序を明らかにし、治療方法開発に結びつけることを目標とする。
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研究成果の概要 |
好酸球性副鼻腔炎は嗅覚障害を来す代表的疾患であるが、その病態生理の詳細は未解明である。本研究では活性型ビタミンD3誘導体を用いて、好酸球性炎症のマスター制御因子であるTSLPを多量に誘導することにより、鼻副鼻腔に重度の好酸球性炎症を起こすマウスモデルを確立した。そのモデルを用いて、マウスの嗅上皮に組織学的変化が生じていることを示した。本モデルでは、鼻粘膜下の好酸球浸潤だけでなく好塩基球やM2マクロファージの浸潤も認められ、ヒトの好酸球性副鼻腔炎の特徴を反映したモデルである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
好酸球性副鼻腔炎は物理的な鼻閉だけでなく嗅神経系に様々な免疫学的影響を与えると考えられるが、ヒトの嗅上皮を採取して解析することは技術的・倫理的にやや困難であるため、優れた動物モデルが必要であった。本研究の成果により、鼻副鼻腔の好酸球性炎症が嗅神経系に与える影響の解析が可能になり、今後、嗅覚障害に対する有効な治療法確立に役立てることができると期待される。
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