研究課題/領域番号 |
19K18729
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大畠 和也 大阪大学, 医学系研究科, 特任研究員 (10778632)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | セロトニン / リボンシナプス / セロトニン受容体 / 音響外傷 / 外有毛細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
今回我々が行おうとする研究は外有毛細胞側のPresynaptic Ribbonと騒音性難聴の関係を明らかにすることにある。今までその存在については報告されているが、騒音性難聴との関係についてはほとんど報告がない。外有毛細胞の求心性神経の機能については不明な所が多く、今回の研究により騒音性難聴との関係を明らかにすることで聴覚機能における役割が解明されることも期待できる。これらの神経が、現在原因が解明されていない耳鳴や聴覚過敏などに関わる可能性もあり、原因解明のみならず画期的な治療法の開発に繋がることも予想される。
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研究成果の概要 |
我々はセロトニン(5-HT)受容体の一つである5-HT3A受容体と内耳有毛細胞に存在するリボンシナプスとの関連に注目し実験を重ねてきた。その結果、5-HT3A受容体が音響外傷後の内保護作用に重要な役割を果たしていることを見出した。さらに5-HT3A受容体ノックアウトマウスでは野生型マウスと比べて音響外傷後の内耳障害が増強することが分かった。さらに、薬理学的実験の結果、この受容体が刺激されることにより、音響外傷に対して内耳保護作用が増強し、内有毛細胞のリボンシナプスの減少や聴覚閾値上昇という内耳障害を軽減させることが証明できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
5-HT3A受容体と内耳機能についての報告は本研究が初であり、さらにこの受容体が音響外傷後の内耳保護作用に重要な役割を果たしていることを証明した本研究の学術的意義は大きいと思われる。さらに、受容体刺激薬投与により内耳保護作用が増強することも示したことは、この受容体が音響外傷後の内耳障害に対する治療および予防薬へつながる可能性もある。 今までのところ、音響外傷に対して有効な治療法や予防薬はなく、今回の成果はこれにつながる極めて重要な一歩と思われる。今後さらなる検討を行うことで新規製薬にもつながりうると考えられる。
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