研究課題/領域番号 |
19K18736
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
|
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
萬 顕 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (20792120)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 頭頚部癌 / 癌間質 / AEBP1 / ACLP / CAF / がん間質 / 扁平上皮癌 / 腫瘍間質 / 癌関連線維芽細胞 / 頭頚部がん |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに口腔扁平上皮がん細胞株、頭頚部がん臨床検体由来のCAF、および正常線維芽細胞を用いて解析により頭頚部がん微小環境においてもAEBP1が重要な役割を担っていることが明らかになってきた。さらにThe Cancer Genome Atlas (TCGA)のRNA-seqデータを解析した結果、AEBP1の高発現が頭頸部がんの予後不良因子であることが明らかになった。本研究で頭頸部がんの微小環境において、AEBP1はどのような分子メカニズムで腫瘍促進的に働くのか、AEBP1の相互作用因子および下流標的は何か、そしてAEBP1は頭頸部がんの新規治療標的となりうるか、という点を明らかにしたい。
|
研究成果の概要 |
口腔扁平上皮がん(OSCC)臨床検体におけるAEBP1発現を免疫組織染色で解析結果、AEBP1はCAFで高発現し、かつAEBP1発現は腫瘍サイズや組織学的悪性度と相関した。CAFにおけるAEBP1の発現は、OSCC細胞との共培養やTGF-β刺激により誘導された。CAFにおいてAEBP1をノックダウンすることで、がん細胞の遊走・浸潤能が低下することが明らかとなった。また、がん細胞をリコンビナントAEBP1タンパクで処理することで、上皮間葉転換マーカー遺伝子発現の変動が認められた。さらにCAFのAEBP1過剰発現によりがん細胞の浸潤能・xenograft形成能促進する効果が認められた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
AEBP1のがん間質における働きについて、いまだ研究報告はわずかである。本研究により、AEBP1が頭頸部扁平上皮がんのCAFにおいて高発現すること、CAFにおけるAEBP1の発現は、癌細胞との共培養やTGF-β刺激により誘導されること、がん細胞の遊走・浸潤・転移の促進や、腫瘍免疫の抑制に関わることが明らかになった。今後、CAFやがん細胞においてAEBP1と相互作用する分子の同定、腫瘍間質と免疫細胞の相互作用におけるAEBP1の機能解析など、AEBP1の作用機構を解明することで、頭頚部扁平上皮がんの新規治療法の開発につながることが期待される。
|