研究課題/領域番号 |
19K18740
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
熊代 奈央子 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (50746435)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 甲状腺未分化癌 / 頭頸部扁平上皮癌 / レンバチニブ / チロシンキナーゼ阻害薬 / MEK阻害薬 / E7080 / VEGFR阻害 / 再分化誘導 / VEGFR阻害 |
研究開始時の研究の概要 |
甲状腺癌において大多数を占める乳頭癌と濾胞癌は高分化型の悪性腫瘍に属し、生存予後は比較的良好である。しかしながら、これらにp53などの遺伝子変異が起きた場合には、低分化癌あるいは未分化癌への脱分化が起こることが知られている。この未分化転化をきたした場合には、一転し予後不良となり、生存期間中央値は6か月以内、一年生存率が10%を下回る。治療の柱の一つであるI-131内用療法は、未分化に伴うNISの発現消失で無効となり、治療選択肢が極めて少ないという問題がある。本研究では、VEGFR阻害による再分化を誘導することで、甲状腺未分化癌に対してI-131内用療法が有効になりうる可能性があるかを検討する。
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研究成果の概要 |
切除不能の頭頚部扁平上皮癌の治療は放射線治療もしくは薬物治療(抗がん剤治療、免疫チェックポイント阻害薬、分子標的薬)が行われてる。チロシンキナーゼ阻害薬(レンバチニブ)は他癌腫に対しての抗腫瘍効果が報告されているが、頭頚部扁平上皮癌に対しての治療効果は明らかには証明されていない。我々はマウスを用いてレンバチニブが頭頚部扁平上皮癌の腫瘍増殖を抑制することを証明した。 またこのレンバチニブは甲状腺癌の治療薬として保険適応が通っているが、他薬剤との併用療法の有効性は明らかには証明されていない。我々はレンバチニブとMEK阻害剤の併用療法により、各々の単剤投与よりも高い腫瘍効果が得られることを証明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
頭頚部扁平上皮癌に対してレンバチニブはまだ保険収載となっていないが、本研究でその抗腫瘍効果を明らかにしたことにより、転移再発例への治療選択肢が広がるきっかけになると考えている。 またレンバチニブは従来甲状腺癌に対する治療薬として使われていたが、未分化癌への治療効果は十分ではなかった。本研究でレンバチニブとMEK阻害薬との併用療法が、単剤療法よりも高い抗腫瘍効果が明らかになったことから、予後不良な甲状腺未分化癌の治療選択肢が今後広がっていく可能性がある。
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