研究課題/領域番号 |
19K18743
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
籾山 香保 北里大学, 医学部, 助教 (50748663)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | REV7 / mesopharyngeal cancer / 中咽頭癌 / 治療感受性 / p16 / HPV関連癌 / HPV関連頭頸部癌 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、頭頸部領域のHPV関連癌が注目されている。特に化学放射線療法ではHPV非関連癌と比較して予後が良好であることが知られている。一方、化学放射線療法はDNA損傷を起こし抗癌作用を来す。癌はそれに対抗しDNA損傷の修復を停止する機構を持ち治療抵抗性を示す。本研究では、HPV関連癌と非関連癌で、DNA損傷の修復にどのような違いがあるのかについてp16、p53、Rev7の阻害による化学放射線療法増感作用をHPV status別に検討する。これらの因子は細胞周期やがん抑制遺伝子の制御、DNA修復に関与しており、本研究により頭頸部癌において、治療成績を落とさず強度を低減した治療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
当科で治療を行った中咽頭癌症例を用いてREV7発現と予後の関係を検討した。 まず、p16陽性癌は45%、p16陰性癌は55%と従来の報告と同様の割合だった。次に、REV7低発現群は66%、REV7低発現群は34%だった。REV7発現と患者背景因子に関連のある項目はなかった。REV7発現とp16発現にも関連はなかった。REV7発現と予後に関しては、全症例におけるREV7発現と予後には関連がなかった。p16ステータス別に予後を検討したところ、p16非関連癌ではREV7高発現群の予後が悪く、p16関連癌ではREV7低発現群の予後が悪かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、遺伝子修復に関わる多機能タンパクであるREV7は、様々な癌腫において高発現であると予後が悪い、また治療抵抗性が高いということが報告されてきた。頭頸部癌領域でのREV7に関わる研究は乏しく、今回我々は中咽頭癌における検討を開始した。中咽頭癌の治療感受性に関して大きな因子はp16発現の有無である。中咽頭癌全体ではREV7発現と予後に関連はなかったが、p16発現の有無で分類するとp16非関連癌ではREV7高発現群の、p16関連癌ではREV7低発現群の予後が悪いことが分かった。これは新しい発見であり、今後REV7発現の抑制で治療抵抗性を変えられる可能性が示唆される有意義な結果と言える。
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