研究課題/領域番号 |
19K18754
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
対馬 那由多 北海道大学, 大学病院, 助教 (50547643)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 鼻副鼻腔粘膜悪性黒色腫 / 粘膜悪性黒色腫 / NRAS / CTNNB1 / BRAF / 遺伝子変異 / 次世代シークエンサー / βカテニン / CTNB1 / 耳鼻咽喉科学 / 悪性黒色腫 / 遺伝子解析 / 耳鼻咽喉化学 / 鼻副鼻腔悪性黒色腫 / 遠隔転移 / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
鼻副鼻腔悪性黒色腫は遠隔転移が多く、予後の改善にはその制御が重要である。皮膚原発の悪性黒色腫と鼻副鼻腔悪性黒色腫では、発癌メカニズムが異なる可能性が考えられるが、多数症例での遺伝子解析の報告が少なく、さらに国内の報告にいたっては皆無である。 本研究では鼻副鼻腔悪性黒色腫の遺伝子変異や遺伝子発現プロファイルを解析することで、予後および遠隔転移に関与する因子などのバイオマーカーを同定する。 これらの結果から、最終的には新規治療標的分子をターゲットとした新治療法の立案と臨床試験の計画の樹立を目指している。
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研究成果の概要 |
次世代シークエンサーを用いて鼻副鼻腔粘膜悪性黒色腫18例の遺伝子変異を解析した。NRAS変異を6例 (33%)、CTNNB1変異を2例 (11%)、BRAF変異を1例 (5.6%) に認めた。遺伝子変異の有無による全生存率、無再発生存率、累積遠隔転移率に有意差を認めなかった (P = 0.79, 0.97, 0.96)。NRAS変異の有無で比較した場合も全生存率、無再発生存率、累積遠隔転移率に有意差は見られなかったが (P = 0.90, 0.30, 0.55)、NRAS変異例では生存率が低く、遠隔転移率が高い傾向が見られた。CTNNB1変異例では免疫組織化学染色でβカテニンの核移行を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本邦の鼻副鼻腔粘膜悪性黒色腫では欧米と比べてNRAS変異とCTNNB1変異の頻度が高い可能性が示唆された。NRAS変異例は皮膚および粘膜悪性黒色腫で予後不良との報告があり、CTNNB1変異例では免疫チェックポイント阻害薬の有効性が低下する可能性があると報告されている。BRAF変異は頻度が低く、分子標的治療の対象となる症例は少ないと考えられた。 NRAS変異が予後規定因子であれば、変異例では積極的に適切に治療強度を高めることが可能となりえる。また、CTNNB1変異がICIの治療抵抗性の原因となっているとすれば、治療方法選択の際に判断基準の1つとして用いることができると考えられる。
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