研究課題/領域番号 |
19K18766
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 (2021-2022) 名古屋大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
丸尾 貴志 愛知医科大学, 医学部, 講師 (00774118)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 頭頸部癌 / 術後嚥下障害 / 320列ADCT / 頭頸部癌術後嚥下障害 / 遊離空腸再建後嚥下障害 / 内視鏡下嚥下機能改善手術 / 嚥下機能改善手術 / 320列ADCTによる嚥下機能解析 / 頭頸部癌再建術後 / 嚥下障害 / 術後嚥下機能 / 下咽頭癌 / 咽頭喉頭頸部食道全摘術 / 遊離空腸による再建術 |
研究開始時の研究の概要 |
下咽頭癌に対する標準治療の一つに手術療法がありますが、臓器切除により、発声機能や嚥下機能(飲み込みの機能)が障害され、生活の質の低下をもたらしています。下咽頭癌手術後の嚥下障害を改善・代償する明確な治療・リハビリ法はまだありません。従来の嚥下検査に320列ADCT(詳細な解析ができるCT検査)や嚥下圧計測(飲み込みの力を計測)を加えることで、より詳細な解析を実現し、のどの立体構造を考慮にいれた術式の開発や障害に対する訓練法の開発を目指します。
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研究成果の概要 |
下咽頭癌切除再建手術を受けた症例を対象に320列ADCTを用いて嚥下動態の解析を行った。 中・下咽頭癌切除再建症例では、患側舌骨上筋の切除により、喉頭挙上が健側に引っ張られるように傾いて挙上していた。軸位断で確認すると回旋運動も加わっていた。これらの運動で嚥下したバリウムは患側に誘導され、誤嚥なく嚥下できていた。その際の咽頭収縮は健側の粘膜が再建皮弁に近づく形で収縮し、咽頭腔を閉鎖し、再建皮弁の種類によりその閉鎖割合は異なっていた。遊離空腸再建症例での解析では、嚥下時に咽頭空腸吻合部が拡張し、嚥下圧が吸収されていた。嚥下圧が肛門側に伝わらず、嚥下後に上咽頭に逆流する原因になっていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
切除後の残存組織の動態より、再建皮弁の選択や訓練計画の一助となる結果が得られた。特に咽頭収縮には、ボリュームの多い皮弁の方が有利であることがわかった。また訓練に関しても残存組織を中心に強化するようなものが有効であることが考えられた。手術においても、残存組織の運動が残るような愛護的な操作や切除の工夫が必要であることがわかった。 喉頭を全摘し、遊離空腸で再建した症例では、咽頭縫合部の拡張で嚥下圧が肛門側へ伝わっていないことがわかり、嚥下圧を逃さないように用手的に抑える代償嚥下や訓練で、数例改善をみた。また再建方法の工夫も想起され、今後、想起された新しい訓練法や術式の効果を検討していく必要がある。
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