研究課題/領域番号 |
19K18767
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 帝京大学 (2020-2021) 京都大学 (2019) |
研究代表者 |
西村 幸司 帝京大学, 医学部, 講師 (20405765)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | リプログラミング / 蝸牛神経 / 転写因子 / アデノ随伴ウイルス / シュワン細胞 / アデノ随伴ウイルスベクター / オプトジェネティクス / ダイレクトリプログラミング / ラセン神経節 / 遺伝子治療 |
研究開始時の研究の概要 |
感音難聴は最も重要な身体障害であるが、根本的な治療法は存在せず、臨床では補聴器や人工内耳などの補助的な機械が用いられている。本研究は、In Vivoダイレクトリプログラミングの手法で蝸牛神経を再生し、新規感音難聴治療開発の端緒とすることを目標とする。電気生理学的、ウイルスを用いた神経トレーサー、免疫組織化学的手法により再生された蝸牛神経の機能的評価を行う。蝸牛神経は末梢では蝸牛有毛細胞、中枢では蝸牛神経核細胞とシナプス結合する双極性神経であるため、中枢神経系に比べてシナプス結合の様式が比較的単純であり、神経ネットワーク再生のメカニズム解析のためのモデルとしても、本実験は学術的意義を有する。
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研究成果の概要 |
蝸牛神経をin vivo分化転換により再生させて、蝸牛神経を刺激して聴覚機能を検証し、高度感音難聴者に対する新規治療法の開発を目指し実験を行った。マウス、モルモットを用いてin vivoで有毛細胞には障害を与えずラセン神経節を強心配糖体のウアバインやジゴキシンで特異的に障害させることに成功した。内耳組織解析の過程で、当初予定していなかった前庭神経節細胞の障害についても詳細に検討した。一方で、in vivo分化転換を目指して接種したAAV2, Anc80はラセン神経近傍のシュワン細胞での効率良い発現が得られず、AAVの血清型やプロモーターの更なる検討が課題として残された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人工内耳手術を受ける高度感音難聴者の蝸牛神経が健聴者と同程度に再生され、蝸牛有毛細胞の機能により近似した人工内耳が開発されれば、人工内耳装用者も健聴者と同程度の聴覚の質が担保されると考えられる。in vivoでのラセン神経節の障害モデルの作製および遺伝子導入法の確立は一度変性したラセン神経を再生させる方法の開発に必要である。同時に、前庭神経節内の易障害性神経節細胞やシュワン細胞の解析は加齢性および薬剤性の平衡障害メカニズムの解明や治療に寄与すると考えられる。
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