研究課題/領域番号 |
19K18774
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
竹本 梨紗 熊本大学, 病院, 医員 (30839551)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | HNSCC / MR / 舌癌 / TAM / 癌 / sRNA / snoRNA / マクロファージマンノース受容体 / 転移 / マクロファージマンノースレセプター / 頭頸部扁平上皮癌 |
研究開始時の研究の概要 |
Macrophage mannose receptor (MR)はリンパ管上皮に限局して発現し、L-selectinを介してリンパ球の接着に関与し、腫瘍細胞をリンパ管に取り込み転移を惹起する役割があると言われている。我々は舌癌モデルマウスにおいて癌の進行とともに癌浸潤部周囲のリンパ管上皮におけるMRの発現が強くなっていくことを報告した。頭頸部癌においては、リンパ管浸潤、頸部リンパ節転移は重要な予後不良因子である。今回我々が行うのは、舌癌ヒト検体、舌癌モデルマウス、口腔扁平上皮癌細胞株を用いて舌癌における頸部転移とMRの関係を解明し頸部転移を予防することが可能か検討する実験である。
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研究成果の概要 |
臨床検体を用いたマンノースレセプター(MR)の免疫染色では、一部の症例で陽性の結果が得られたが、臨床的特徴との関連は統計学的に十分に検討されていなかった。また、動物モデルを用いた実験では、p53ノックアウトマウスに4-Nitroquinoline-1-Oxide(4NQO)を投与すると安定した舌がんが発生することが示された。現在、検体数を増やしており、将来的にはMRや関連サイトカインの発現を解析する予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
頭頸部癌においては、近年セツキシマブ(抗ヒトEGFRモノクローナル抗体)の使用がさかんに行われるようになっていますが、プラチナ製剤との非劣勢が証明されたに過ぎず、主として抗がん剤を使用できない腎機能の悪い患者や高齢者に使用されています。MRの発現が転移に寄与しているのであれば、導入化学療法の代わりにセツキシマブを使用するレジメが生まれる可能性があります。近年開発された分子標的治療薬はT細胞からの免疫回避機構に対する治療法ですので、分子標的治療薬で原発を、セツキシマブで転移を予防するという治療法が有効である可能性があります。
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