研究課題
若手研究
免疫を抑える制御性T細胞(Treg)は癌に対する免疫も抑制してしまい、癌治療の妨げとなると言われている。喉頭癌などに代表される頭頸部癌では、そのTregが増殖してしまっており、またTregの表現型に特徴があることを私たちは発見した。本研究ではさらに表現型を調べたり遺伝子発現解析を行ったりしてTregの増加するメカニズムや表現型が変化する仕組みを探る。また他の免疫担当細胞との関連がどうなっているのかを調べていき、新たな治療戦略の開発につなげていく。
頭頸部癌は口腔や咽喉頭にできる癌であるが、頭頸部癌に対する治療開発に貢献するため本研究では抗腫瘍免疫に着目した研究を行った。抗腫瘍免疫は人に生来備わっている腫瘍(癌)を排除する機構である。抗腫瘍免疫を抑制する代表的な細胞、制御性T細胞に焦点をあてて研究を行った。その結果、頭頸部癌では制御性T細胞が増加しており、さらに抑制性分子であるCTLA-4の表面発現が増えていることが明らかとなった。そしてこのような頭頸部癌における制御性T細胞の特徴がもたらされる機序を一部であるが解明することができた。
頭頸部癌は、進行例では特に、嚥下機能障害や発声機能障害など生活の質を著しく低下させる機能障害を起こす。本研究は頭頸部癌に対する治療開発に貢献することを目的としており、頭頸部癌患者様の生活の質を改善させる手立てとなる研究である。また、本研究は抗腫瘍免疫に着目した研究であり、近年新たな癌治療の一つとして注目されている免疫チェックポイント阻害薬の効果を左右するメカニズムにつながる発見をしており、医療経済学的な意義も大きい。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (4件)
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