研究課題/領域番号 |
19K18804
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北村 公二 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (40804365)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 頭頸部扁平上皮癌 / RNAスプライシング / スプライシングバリアント / RNAスプライシングバリアント |
研究開始時の研究の概要 |
頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)の発癌の分子メカニズムの解明は進んでいるが、一方でその悪性度を規定する分子メカニズムは未解明のままである。申請者が所属する研究室が見出したRNAスプライシング制御因子SF3B2は、HNSCCを高悪性化させることが示唆された。 そこで本研究では、SF3B2がどのようにHNSCCを高悪性化させるのか、その分子メカニズムを解明する。具体的には、①mRNA前駆体におけるSF3B2のスプライシング制御部位の網羅的解析、②SF3B2がスプライシング制御する遺伝子のゲノムワイドな解析、③SF3B2によってHNSCCを高悪性化するスプライシングバリアントの同定、を行う。
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研究成果の概要 |
スプライシング制御因子であるSF3B2が頭頸部扁平上皮癌を高悪性化させるメカニズムについてその一端を明らかにした。SF3B2はその発現量の変化によってミトコンドリア電子伝達系や転写調節領域の遺伝子発現変化に関与することが分かった。さらにSF3B2はmRNA前駆体に結合しスプライシング制御に関わるだけでなく、クロマチン領域にも結合し転写制御に関与することでこれらの遺伝子発現を調整することが明らかとなった。SF3B2の高発現によってこれらの分子メカニズムが頭頸部扁平上皮癌の高悪性化に関与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
頭頸部扁平上皮癌は喫煙、飲酒が原因となり発生する予後不良な疾患である。近年、ゲノムワイド関連解析が行われるようになり、がん抑制遺伝子p53などの遺伝子変異がHNSCCの発癌に関連することが明らかにされつつある。しかし、HNSCCの悪性度を規定する分子メカニズムについてはまだ不明である。そのため、HNSCCの治療はその解剖学的進展度に基づいて行われ、分子生物学的な悪性度に応じた治療法は確立されていない。本研究ではHNSCCを高悪性化させる分子メカニズムの一端を明らかにしたことで新たな治療法の開発につながる意義ある研究であったと考える。
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