研究課題/領域番号 |
19K18816
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
松崎 佐栄子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (70573400)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | EYA4遺伝子 / 遺伝性難聴 / 常染色体優性遺伝 / 進行性感音難聴 / EYA4 / ヒト疾患由来iPS細胞 / 感音難聴 / 進行性難聴 |
研究開始時の研究の概要 |
EYA4 遺伝子は常染色体優性非症候性難聴(DFNA10)の原因遺伝子であり、20代以降の進行性感音難聴を特徴とする。動物モデル不在の非致死性疾患であり、疾患iPS創薬研究の良いターゲットである。本研究ではEYA4 遺伝子変異患者4例から疾患特異的hiPS細胞を樹立、内耳細胞へ誘導し、細胞レベルでEYA4 遺伝子変異難聴の病態生理・治療標的を直接的に検討する。難聴の進行抑制を目標に研究を展開する。
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研究成果の概要 |
EYA4遺伝子変異患者4症例および健常者の血液検体からiPS細胞を樹立し、内耳細胞へ誘導して、EYA4タンパク発現を症例ごとに検討したところ、健常者由来の内耳細胞では核にのみEYA4の発現が見られたのに対し、患者由来内耳細胞においては細胞質においてもEYA4の発現が高率で見られた。また、核におけるEYA4の発現も健常者由来内耳細胞よりも強い傾向を認め、この傾向は実際の患者の難聴の程度と正の相関を示していた。また各種のストレス物質を内耳細胞の培養上清に添加することで細胞ストレスを与え、細胞の生存率について検討を行い、特に酸化ストレスに対する脆弱性を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
EYA4遺伝子変異患者4症例および健常者の血液検体から誘導した内耳細胞を比較検討することで、内耳細胞内のEYA4タンパクの発現型に差異があること、またEYA4遺伝子変異難聴(DFNA10)では酸化ストレスの脆弱性が見られることなどが解明された。生体から内耳細胞を採取することは難しいが、疾患特異的iPS細胞研究という手法を用いることで、直接的に検討することが可能となった。今回の研究により、再生医療以外のiPS細胞の活用方法を示すことができた。また、本疾患に酸化ストレスの脆弱性が見られたことから、本疾患の治療薬開発の可能性がある。
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