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蝸牛神経と坐骨神経のシュワン細胞の膜電位変化がそれぞれの神経に与える影響の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19K18824
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
研究機関近畿大学

研究代表者

佐藤 満雄  近畿大学, 医学部, 医学部講師 (40580775)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワードinner ear / peripheral nervous / electrophysiology / 光遺伝学 / 神経再生 / 髄鞘脱分極 / 坐骨神経 / 髄鞘 / シュワン細胞 / 蝸牛神経
研究開始時の研究の概要

末梢神経系の恒常性維持やその再生過程において、神経軸索を取り巻くシュワン細胞が主な役割を担っている。シュワン細胞にはカリウムチャネルを主体とした多くのチャネルが存在し、約-50 mVの静止膜電位が保持されている。この膜電位変化は神経系の病態生理に関連すると考えられるが、従来の薬理学的手法や遺伝子改変技術では、組織特異的かつ即時的に膜電位を制御することは困難であった。そこで本研究では、光遺伝学手法を活用する。生きた動物の蝸牛神経と坐骨神経のシュワン細胞を標的とし、光誘導膜電位変化による神経への影響を解析し、病態生理の解明を目指す。成果は末梢神経の再生医療や感音難聴の新たな治療法の開発へと繋がる。

研究成果の概要

まず、ChR2(光感受性非選択的陽イオンチャネル)が遺伝子改変マウスの蝸牛神経と坐骨神経の髄鞘に発現しているかを免疫組織化学実験により確かめた。電子顕微鏡を用いた詳細な解析(paranodeやjuxtaparanodeへの発現解析)までは行えなかったが、標的細胞への発現までは確認できた。中枢神経系の髄鞘の脱分極による神経刺激作用が報告されていることから、同様に末梢神経系でも生じ、それが神経再生の助長につながる可能性もあるという仮説をたて、in vivo実験を施行した。蝸牛神経の電気刺激応答は光刺激により、軽度ではあるが潜時の短縮が認められた。坐骨神経に対する同様の実験は現在検討中である。

研究成果の学術的意義や社会的意義

神経を取り巻く髄鞘の脱分極が神経を刺激させることが末梢神経でも示唆された。これは蝸牛神経では神経疾患由来の感音難聴に対して、坐骨神経では外傷や神経疾患に対しての新たな治療戦略の一つとなり得る。光遺伝学は外部からの光刺激のみで非侵襲的に標的細胞の電位変化をもたらすことが可能で、臨床応用もすでに始まっている分野であり、期待が持てる。しかし、本実験結果はまだまだ不十分であるため、今後の更なる検討が必要である。また、神経刺激のみならず、神経の再生促進への関与も検討していく予定である。

報告書

(4件)
  • 2021 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Electrochemical properties of the non‐excitable tissue stria vascularis of the mammalian cochlea are sensitive to sounds2021

    • 著者名/発表者名
      Zhang Qi、Ota Takeru、Yoshida Takamasa、Ino Daisuke、Sato Mitsuo P.、Doi Katsumi、Horii Arata、Nin Fumiaki、Hibino Hiroshi
    • 雑誌名

      The Journal of Physiology

      巻: 599 号: 19 ページ: 4497-4516

    • DOI

      10.1113/jp281981

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2023-01-30  

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