研究課題/領域番号 |
19K18828
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
善岡 尊文 旭川医科大学, 医学部, 講師 (20548854)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ホモシスチン / ホモシスチン尿症 / チン氏帯断裂 / 水晶体亜脱臼 / シスタチオニン β-シンターゼ / CBS / 水晶体 / アミノ酸代謝 / Lens / metabolism |
研究開始時の研究の概要 |
新規白内障マウスモデルに独自のメタボロミクス解析技術を応用することで、水晶体における代謝産物の変動を網羅的に解析し、その透明性維持機構に関わる代謝制御機構を明らかにする。具体的には代謝経路のキーレギュレーターで水晶体混濁の原因遺伝子の一つであるCystathionine-β-synthase(CBS)のノックアウトマウスを用いて定量的質量分析イメージングによるin vivo メタボロミクス解析を行うことで、マウス水晶体における硫黄代謝の変化を時空間的に解明する。白内障発症機序の解明及び、代謝をターゲットにとした治療法に繋がる基礎的知見を生み出すことが大いに期待される。
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研究実績の概要 |
ホモシスチン尿症の眼における表現型は水晶体亜脱臼(チン氏帯断裂)であり、このチン氏帯はマイクロフィブリルから構成され、その主成分はフィブリリンである。このフィブリリンタンパク質になんらかの変化を与えるのがホモシスチン尿症の病態であり、CBSノックアウトマウスの代謝解析を行うことで解明を試みた。 イメージングMSを用いて、CBSノックアウトマウスの眼を分析したところ二つの代謝物が明らかにWTと異なる事がわかった。一つはホモシステインパースルホネート(HcySSO3-)であり、硝子体および前房で高く検出された。HcySSO3-は大気圧型マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間形質量分析計ではホモシステインパースルフィド(HcySSH)が酸化した形として検出される。もう一つはOphthalmateであり水晶体上で検出された。Ophthalmateはグルタチオン(GSH)のシステインが2-アミノ酪酸に変わったトリペプチドであり、システインの枯渇を示唆していると考えられる。 同様の実験を液体クロマトグラフィー質量分析装置を用いて、眼球の活性硫黄種をモノブロモビマンで標識し定量した。CBSノックアウトマウスでもっとも有意な変化を認めた代謝物はホモシステインではなくHcySSHであった。 HcySSHのような活性硫黄分子は強い還元力を持つため、チン氏帯を構成するフィブリリンのジスルフィド結合に影響を与えている可能性が示唆された。
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