研究課題/領域番号 |
19K18829
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小林 航 東北大学, 医学系研究科, 助教 (20646442)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ヒトiPS細胞 / 網膜神経節細胞 / 視神経委縮 / 常染色体優性視神経萎縮症 / ミトコンドリア / iPS細胞 / 神経突起 / 視神経萎縮 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、Optic atrophy 1 (OPA1) 遺伝子変異による遺伝性視神経症である常染色体優性視神経萎縮症(autosomal dominant optic atrophy: ADOA) 患者からinduced pluripotent stem (iPS) 細胞を作製し、立体網膜組織に分化誘導を行う。作製した立体網膜組織から網膜神経節細胞を単離し、網膜神経節細胞及びその軸索である視神経におけるOPA1遺伝子変異の影響を細胞分子生物学的手法で解析する。
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研究成果の概要 |
常染色体優性視神経萎縮症患者(ADOA)でOPA1遺伝子変異を認める患者の皮膚からiPS細胞を樹立した。このiPS細胞から既報に軽微な修正を加えた分化誘導方法で人工的3次元立体網膜組織へ分化誘導した。分化誘導40日目の立体網膜組織において網膜神経節細胞マーカーで(Pou4f2)で免疫染色を施行するとADOA群及び正常人群でPou4F2陽性細胞数に有意差は認めず、網膜神経節細胞の発生に明らかな差を認めなかった。単離した網膜神経節細胞の神経突起中のミトコンドリアはADOA群で有意に減少していた。神経委縮にはミトコンドリア機能異常が影響している可能性が高い。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Optic atrophy 1 (OPA1) 遺伝子変異による遺伝性視神経症である常染色体優性視神経萎縮症 (autosomal dominant optic atrophy: ADOA) は幼少期より視機能障害が生じる治療困難な疾患である。視神経は組織採取して研究を行うことが困難な臓器の一つであるが、ヒトiPS細胞を使用することにより患者の視神経を採取することなく研究することが可能になった。さらにOPA1遺伝子変異がもたらすミトコンドリア機能障害が視神経委縮と関連している可能性が高いことから、同様に視神経障害を来す緑内障においてもミトコンドリア機能障害が関連している可能性が示唆される。
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