研究課題/領域番号 |
19K18830
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
津田 聡 東北大学, 大学病院, 助教 (60791093)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 緑内障 / 線維柱帯切除術 / 手術 / 偏光OCT / 創傷治癒 / 瘢痕抑制 / 手術成績 / 緑内障濾過手術 / 創薬 / 前眼部偏光OCT |
研究開始時の研究の概要 |
緑内障は中途失明原因第1位である。眼圧下降が不十分な難治性緑内障には線維柱帯切除術等の濾過手術が施行されるが、長期に良好な眼圧を維持できる症例は約半数であり、緑内障による失明患者数減少には、手術成績の向上が必須である。濾過手術は、濾過胞が瘢痕化し眼圧の再上昇が起こる。術後瘢痕化は長期的に生じ、濾過胞瘢痕化を継続的に抑制し続ける治療方法はない。本研究では、濾過胞瘢痕化の非侵襲的な定量評価のために開発し、医療機器承認を取得した前眼部偏光OCTを活用し、家兎濾過手術モデルを用いて濾過胞瘢痕化の非侵襲的なバイオマーカーを確立し、瘢痕化抑制薬の創薬研究基盤の確立と瘢痕抑制薬の開発を目的とする。
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研究成果の概要 |
緑内障の手術成績向上のために、本邦発の医療機器である前眼部偏光OCTを活用し、家兎線維柱帯切除術後の濾過胞の瘢痕化を複屈折値として非侵襲的に定量化した。その後、摘出した濾過胞の組織学的所見との関連性を検討した。複屈折値と組織切片のコラーゲン密度には強い関連性を認めた。また既知の瘢痕抑制薬を使用した家兎線維柱帯切除術では、眼圧下降作用が長期に継続し、前眼部偏光OCTによる複屈折値が術後低値であり、摘出組織切片のコラーゲン密度が減少していた。以上より前眼部偏光OCTによる濾過胞瘢痕化の定量評価可能なバイオマーカーを確立し、瘢痕抑制薬の薬効評価に活用可能であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、本邦発の医療機器である前眼部偏光OCTを活用し、線維柱帯切除術後の濾過胞瘢痕化のバイオマーカ-を確立して瘢痕化抑制薬の創薬研究の基盤を作成した。本成果は治療成績を向上させる革新的医薬品の開発促進に繋がることが期待される。 本邦は超高齢化に伴い緑内障患者は増加し、未だに中途失明原因の第1位である。本研究成果は、保存的治療では奏功しない難治性緑内障に対する標準的術式である線維柱帯切除術の治療成績を向上させ、緑内障による失明の減少に繋がり、緑内障患者のQOL及びADLの改善に寄与することから極めて社会的・経済的意義が大きい。
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