研究課題/領域番号 |
19K18838
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
高橋 洋如 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (80750786)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 近視 / レーザー治療 / 光干渉断層計 / 病的近視 / 硝子体 / 網膜剥離 |
研究開始時の研究の概要 |
失明の原因疾患として上位を占める病的近視患者の約1割に生じる重篤な合併症が近視性牽引黄斑症である。近年、近視性牽引黄斑症への硝子体手術に関する多数の研究成果が我が国から報告されているが、手術の侵襲はいまだに少ないとは言えず、低侵襲な治療方法の開発が急務である。本研究では次世代型広角光干渉断層計による眼底断層像の診断とNd:YAGレーザー照射治療を組み合わせた新しい近視性牽引黄斑症の診療を開発することを目的としている。申請者は先行研究の中で、病態として網膜の牽引部位が黄斑と離れているという独自の知見を得ていて、これを本研究に発展することで近視性牽引黄斑症の新規診療法を確立することが期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究は広角光干渉断層計(OCT)による観察とNd:YAGレーザーによって、近視性牽引黄斑症を低侵襲に治療する方法を開発することを目的とした。 まず、広角OCT検査を受けた601名の強度近視患者を対象に、硝子体の網膜表面への癒着と近視性牽引黄斑症の発症との関係を後ろ向きに調査した。次に視力低下を来した5名の患者を対象にNd:YAGレーザーにて網膜の内境界膜を切開し、術後の視機能と網膜形態を前向きに評価した。 後ろ向き研究により、硝子体の網膜血管への癒着が近視性牽引黄斑症に有意に関係することがわかった。さらに前向き研究により、内境界膜を十分に切開するには正確なレーザーシステムが必要であるとわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究での後ろ向き調査で得られた知見は、近視性黄斑分離症の原因として考えられていた、後部硝子体の黄斑部への付着よりも、網膜血管への癒着が重要であることを示したことにより、既存の疾患概念を覆す画期的な知見であった。さらに、近視性黄斑症の発症早期の病的変化の検知や、手術治療における計画においても、広角OCTでの評価が有用であることを示しており、本疾患に対する治療の改善に寄与すると考えられた。また、前向き研究では少数例ではあるものの、治療の概念を提示し、今後の改善に向けての問題点を明らかにしており、本治療の次なる研究に向けての重要な知見を示したものと考えられる。
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