研究課題/領域番号 |
19K18844
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
塩出 雄亮 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (20711097)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 網膜 / ミュラー細胞 / 細胞伸展刺激 / メカニカルストレス / 網膜色素上皮細胞 / サイトカイン刺激 / iPS細胞 / 細胞進展刺激 / 上皮間葉転換 |
研究開始時の研究の概要 |
病的近視、黄斑上膜、網膜色素上皮剥離、増殖硝子体網膜症などの網膜疾患は、その発症に網膜へのメカニカルストレスが関係している。本研究ではミュラー細胞と網膜色素上皮細胞(RPE細胞)に着目し、これらの細胞に対するメカニカルストレスの影響を分子生物学的に明らかにする。MIO-M1、iPS-RPEといった生体に近い細胞を用いて、生体眼での環境に近いメカニカルストレスを負荷し、遺伝子、タンパク質発現の変化について検討する。発現の変化に関して、そのメカノトランスダクションやメカノセンシングを解明していく。更に、メカニカルストレスを負荷した動物モデルの網膜において予想される変化が生じるかどうかを検討する。
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研究成果の概要 |
網膜色素上皮細胞(iPS-RPE)とミュラー細胞(MIO-M1)を用いて、細胞を伸展する刺激を行った。 iPS-RPEでは、特定の伸展刺激により、神経細胞に重要な働きを有するAQP-1の発現減少を認めた。 MIO-M1では、細胞伸展と特定のサイトカイン(TGF-β、TNF-α)による共刺激により、細胞が重なる像(pile up)が認められ、網膜に繊維増殖膜を形成する疾患との関連性が示唆された。また特定の条件での伸展刺激により転写因子の一つであるc-Fosの発現亢進が認められた。この結果は伸展刺激により生じる細胞内のシグナル伝達、活性化される転写因子の解明に寄与するものと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
黄斑上膜や増殖硝子体網膜症など、網膜の疾患には網膜が牽引される疾患が多く、メカニカルストレスが病態に関与している。網膜色素上皮細胞、ミュラー細胞への伸展刺激が、細胞形態にどのような変化、発現因子の変化を生じるかを解明していくことは、網膜硝子体疾患の病態解明と新たな治療研究の発展に応用できるものと考えられる。今後は動物実験モデルにおける検討など、引き続き研究を継続することが必要である。
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