研究課題/領域番号 |
19K18860
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
柴田 伸亮 (稲垣伸亮) 金沢医科大学, 医学部, 助教 (30440514)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | デコリン / 水晶体 / 後発白内障 / 水晶体再生 / 上皮間葉系移行 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、白内障術後に残存LECより水晶体再生できることが報告された(Lin H et al. Nature 2016)。しかし、透明水晶体の再生には、線維化とEMTを制御する必要がある。DCNは、PCO組織で発現上昇し、房水中に分泌されている。DCNは、LECのEMTを誘導する因子であるTGF βレセプターを抑制することが知られているが、DCNの水晶体における役割については、国内外での報告はない。本研究では、このDCNの水晶体再生、PCOにおける役割を解明し、DCNのEMT制御機構を明らかにすることを目的とする。これにより、PCO予防法の開発および、水晶体再生治療の成功につながる可能性がある。
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研究成果の概要 |
ラット後嚢混濁(PCO)モデルのPCO組織でデコリン(DCN)が高発現であった。ヒト前房水中にもDCNが分泌しており、ヒト水晶体上皮細胞(LEC)でもmRNA発現を確認した。LECのDCN発現量や前房水DCN濃度は、年齢や水晶体混濁程度との相関はなかった。培養ヒトLECにおいてFGF2添加によりDCN mRNA発現増加し、TGFβ2 添加で低下した。DCN添加で LECの細胞増殖能亢進や減少はなかった。DCNトランスジェニックマウス(DCN-Tg)水晶体は、野生型マウスと変化なかった。外傷実験では、DCN-Tgで線維芽細胞様変化面積がコントロールより減少し、上皮間葉系移行変化が抑制されていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は,Rat PCO組織のマイクロアレイを用いた網羅的な解析にて、デコリン(Dcn)が上昇し、水晶体の創傷治癒を促進させて線維化を抑制することを国内外で初めて報告した。 DCNはヒト房水に分泌されているタンパク質であり、眼内での毒性もない。分泌タンパク質DCNが、EMTを抑制していることが今回の研究で解明され、DCNはEMTが関連する眼疾患(後発白内障や増殖硝子体網膜症など)を抑制する新しい治療薬のターゲットとなる可能性が示唆された。
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