研究課題/領域番号 |
19K18863
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
梅野 有美 久留米大学, 医学部, 助教 (30795737)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | RGS5 / 網膜上増殖組織 / 増殖糖尿病網膜症 / NDRG1 / 糖尿病網膜症 / 加齢黄斑変性 / 線維血管増殖 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病網膜症、加齢黄斑変性や増殖硝子体網膜症などの増殖性網膜硝子体疾患では、 網膜の上下に生じる線維(血管)増殖組織が主要病態である。申請者は、ゲノムワイドの遺伝 子発現解析により肝臓癌の浸潤促進因子としてregulator of G-protein signaling 5(RGS5)を初めて同定した。本研究では、まず、患者網膜上増殖組織におけるRGS5の局在と 活動性との相関を検証する。次に、In vitro、In vivoモデル系で網脈絡膜線維血管増殖に おける増殖、遊走、形質転換におけるRGS5の役割を解明し、RGS5阻害による増殖組織進展抑制効果を定量化する。
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研究成果の概要 |
増殖糖尿病網膜症(PDR)におけるRGS5発現の検討を行った。PDR患者の線維血管増殖膜(FVM)と硝子体液を採取した。対照群に特発性網膜前膜患者の検体を用いた。免疫染色によりFVMのRGS5とαSMAが共染した。RGS5のmRNA発現レベルは対照群よりもFVMが高値であった。ELISAにより硝子体液におけるRGS5とペリオスチンの濃度を定量した。RGS5濃度は対照群よりもPDR患者が高値であった。FVMを伴うPDR患者のRGS5濃度は伴わない患者よりも高値であり、RGS5とペリオスチンの間に相関はなかった。PDRにおけるRGS5のぺリオスチンとは独立した線維血管増殖促進への関与が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
増殖糖尿病網膜症(PDR)のような増殖性網膜硝子体疾患に対する治療としては光凝固術、抗 VEGF薬硝子体内注射や硝子体手術が行われている。しかし、線維血管増殖の抑制効果は限定的であり視機能を維持できない症例も多く存在する。RGS5は病的血管の周皮細胞に特異的に発現することが想定され、網膜線維血管増殖においてVEGFと異なる機能を有していると考えられる。RGS5の増殖糖尿病網膜症における役割解明とRGS5標的分子標的薬を創製できれば、抗VEGF薬と相加的効果をもたらすことが期待される。また、今回の研究で得られる結果は血管新生緑内障の病態解明につながる契機となる可能性がある。
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