研究課題/領域番号 |
19K18869
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
横山 悠 東北大学, 大学病院, 助教 (00597312)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 緑内障 / 神経保護 / 抗酸化 / 酸化ストレス / 炎症 / 神経保護薬 / 薬剤スクリーニング / 創薬 / 抗酸化作用s |
研究開始時の研究の概要 |
緑内障は眼圧に依存して、RGCが不可逆的に障害されて視野障害をきたす疾患と定義されている。しかし、エビデンスを有する十分な眼圧下降治療を行っても視野障害進行抑制が不十分で失明に至るケースが多いのが現状である。そこで本申請研究では、強力な抗酸化作用を有する新規の治療薬確立を目指す。当施設では東北大学創薬プラットフォームが独自に開発した6000種類の化合物を用いてロボットにより自動化したハイスループットスクリーニングが可能である。このシステムを利用して新薬候補となる抗酸化作用を有する化合物を選別し、緑内障病態モデルを用いて、RGC保護効果を検証する。
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研究成果の概要 |
約6000化合物から細胞毒性を示さず、NF-kB活性を抑制する化合物をレポーターアッセイにより評価し、候補化合物を10以下までに絞り込んだ。このうちBV2細胞に対し化合物#38が最も炎症性サイトカインの産生を抑制した。NF-kBのリン酸化と核移行を免疫染色とウェスタンブロッティングで評価したところ、LPS刺激後の細胞内NF-kBのリン酸化が亢進し、化合物#38で処理すると顕著に抑制された。LPS刺激後のBV2細胞内カルシウム量は有意に増加したが、化合物#38で前処理すると有意に抑制された。本化合物は抗炎症作用をもつ至適濃度においてBV2細胞に対し細胞毒性と増殖活性を認めないことも明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
緑内障は未だ眼圧下降治療以外にエビデンスのある治療法は確立されていない。眼圧下降治療による視野温存には限界があり、緑内障病態に基づく新たな緑内障治療薬は臨床現場において切望されている。しかし基礎研究で開発された候補薬を臨床応用するまでには多くの障壁があり時間を要する。本研究では本学が独自に保有する薬剤ライブラリ6000化合物を効率よくスクリーニングすることにより、より短期間で臨床応用を見据えたものである。これまでの基礎研究で指摘されてきた炎症と緑内障の関連に着目することで薬剤の絞り込みに成功した。今後はこの薬剤を臨床応用に向けて、その効果と安全性を評価していく予定である。
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