研究課題/領域番号 |
19K18870
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
冨樫 敬太 山形大学, 医学部, 病院助教 (80810796)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 網膜芽細胞腫 / CEP1347 / MDM4 / p53 / CEP-1347 / 細胞増殖抑制能 / 増殖抑制 / 細胞死 |
研究開始時の研究の概要 |
小児がんの代表の1つである網膜芽細胞腫に対する治療は進歩しているが、治療に伴う副作用の回避、視機能温存、二次性発がん予防など、克服すべき急務な課題となっている。申請者は、c-Jun N-terminal kinase (JNK)の上流因子であるmixed lineage kinase(MLK)阻害剤CEP-1347が、ヒト網膜芽細胞腫細胞株に対し増殖抑制を示すことを確認した。 本研究では細胞実験や動物実験を用いてCEP-1347が網膜芽細胞腫細胞株に対してどのような機序で増殖抑制をもたらすのかを解明し、CEP-1347が網膜芽細胞腫の新規分子標的治療薬となりうるか検証することを目的としている。
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研究成果の概要 |
網膜芽細胞腫は最も頻度の高い小児眼内悪性腫瘍である。様々な治療法の開発により網膜芽細胞腫は生命予後が良好な悪性腫瘍となったが、現在もなお重症例の眼球温存率は低い。また、化学療法や放射線治療による二次がんのリスクもあり、安全性が高く視機能を温存できるような新規治療法が求められる分野である。 今回、パーキンソン病の治療薬として開発されたCEP1347が代表的ながん抑制遺伝子p53が野生型かつ、p53上流の抑制因子であるMDM4を高発現する網膜芽細胞腫細胞に対してMDM4を抑制しp53経路を活性化することで細胞増殖抑制効果を発揮することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
網膜芽細胞腫は幼少期に発症するため患児の長い人生において著しい視機能障害ひいてはQOLの低下をもたらす疾患である。多くの網膜芽細胞腫において、代表的ながん抑制遺伝子p53が野生型であることが知られており、加えてp53の抑制因子の一つであるMDM4遺伝子は約65%の症例において増幅しているとの報告もある。本研究ではCEP1347がp53野生型かつMDM4高発現している網膜芽細胞腫症例において抗腫瘍効果を持つことを明らかにし、近い未来、多くの網膜芽細胞腫患者に対して有用な新規分子標的治療の1選択肢となる可能性を提言した。
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