研究課題/領域番号 |
19K18899
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中間 崇仁 九州大学, 大学病院, 助教 (30827556)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | マトリセルラー蛋白 / 線維血管増殖 / 抗VEGF療法 / ペリオスチン / テネイシンC / 線維増殖 / VEGF / 糖尿病網膜症 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病網膜症、加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症に共通して認められる眼内線維血管増殖は、重篤な視覚障害の原因となる主要病態の一つである。現在臨床応用されている抗VEGF療法により、眼内血管増殖の治療は新時代を迎えたが、眼内線維増殖は未だに確立された治療法は無く、抗VEGF療法により眼内線維増殖が誘導されることも分かってきた。 本研究では、臨床現場のアンメットニーズである抗VEGF療法誘導性の眼内線維増殖においてマトリセルラー蛋白が重要な役割を果たしているかを検討し、抗VEGF療法との併用で相加効果が期待出来る治療戦略の構築を試みる。
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研究成果の概要 |
抗VEGF療法前後での眼内環境の変化を、前房水と硝子体を用いてマトリセルラー蛋白を中心に解析した。糖尿病網膜症症例では、抗VEGF療法前から前房水内のペリオスチン濃度はコントロール群に比較して有意に高値であった。また、抗VEGF療法に抵抗性で抗VEGF療法後に線維化が進行した症例の多くは、抗VEGF療法後の前房水内ペリオスチン濃度が上昇傾向である一方、前房水内VEGF濃度は上昇傾向には無かった。また、in vitro、in vivo実験ともにペリオスチンの線維血管増殖促進力はテネイシンCよりも強かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗VEGF療法誘導性の眼内線維増殖の発症進展にペリオスチンを主としたマトリセルラー蛋白が関与していると考えられた。今回得られた成果から、ペリオスチンを標的とした治療が、抗VEGF療法誘導性の眼内線維増殖に対する新規治療となり得ると考えられた。マトリセルラー蛋白は、正常網膜での発現レベルは低く、線維血管増殖組織に特徴的に発現していると考えられるため、 マトリセルラー蛋白を標的とした新規治療を創製できれば、正常網膜にほとんど障害を与えることなく、線維血管増殖組織のみを抑制する病態特異的な治療法となることが期待される。
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