研究課題/領域番号 |
19K18900
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 佐賀大学 (2020-2021) 福岡歯科大学 (2019) |
研究代表者 |
吉田 倫子 佐賀大学, 医学部, 特任教授 (70725853)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 酸化ストレス / 網膜色素変性 |
研究開始時の研究の概要 |
網膜色素変性(Retinitis Pigmentosa: RP)は、様々な遺伝子異常によって視細胞が障害される疾患群で未だ有効な治療法がない。我々は、網膜への酸化ストレスが、視細胞死の誘導や慢性炎症への関与等、RPの病態に広く関与することを報告してきた。本研究では、RP患者の臨床サンプルを用いて酸化ストレスマーカーを同定し、臨床所見との相関性を検討することにより、RPの病態を反映する客観的な評価指標(バイオマーカー)としての可能性について検証する。これらにより、病態の分析・解明、疾患の予後予測及び新たな治療戦略に繋がるような成果を目指す。
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研究成果の概要 |
網膜色素変性(RP)患者群と健康な対照群の血液、前房水及びサンプルを用いて酸化ストレスマーカーの解析を行った。黄斑部病変を伴う重度の網膜変性群では軽度の網膜変性群と比較して血清スーパーオキシドジスムターゼ(SOD3)活性は有意に低下していた。また、末梢血中の単球を解析して臨床所見との相関性を評価した。RP患者では末梢血中のintermediate monocytes(CD14++CD16+)が有意に増加しており、黄斑部の網膜感度の低下と相関関係があった。したがって、血清SOD3活性はRPの重症度に関与していること、末梢血中の単球の活性化はRPにおける錐体細胞死に重要であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
網膜色素変性(RP)は、様々な遺伝子異常によって視細胞が障害される疾患群で未だ有効な治療法がない。我々は、ゲノムの酸化損傷によるミクログリアの活性化を介した慢性炎症への関与や視細胞死の誘導など、網膜への酸化ストレスがRPの病態に広く関与することを報告してきた。本研究では、RP患者の臨床サンプルを用いて酸化ストレスマーカーを解析し、血清SOD3活性がRPの病態を反映するバイオマーカーであることの可能性について検証した。また、末梢血中の単球を解析して末梢血中のintermediate monocytesの増加とRPにおける錐体細胞死への関与を明らかにし、新たな治療標的として同定した。
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