研究課題/領域番号 |
19K18901
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
上田 高志 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 医師 (90631573)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ミトコンドリア / 過酸化脂質 / 網膜 / 視細胞 / GPx4 / 網膜変性 / 酸化脂質 / 脂質酸化 |
研究開始時の研究の概要 |
網膜変性疾患は重大な失明原因であるが、未だ治療法は限られている。Glutathione peroxidase 4 (GPx4)は、生体膜酸化脂質を直接還元するユニークな抗酸化酵素で、フェロトーシスの制御因子であるが、網膜における重要性と網膜疾患への関与を世界に先駆けて解明してきた。現状の課題として、GPx4のアイソフォーム特異的な機能は未だ不明点が多い。一般的に、ミトコンドリア局在GPx4は個体レベルでも細胞レベルでも生死には関与しないと考えられているが、詳細な検討は行われている。本研究では、ミトコンドリア型GPx4の視細胞での重要性とともに、疾患モデルを用いて治療応用の可能性を検証する。
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研究成果の概要 |
網膜におけるglutathione peroxidase 4 (GPx4)のアイソタイプ特異的なGPx4の役割は明らかになっていない。網膜錐体視細胞では特にミトコンドリアでのエネルギー生成需要が高いことが知られているため、ミトコンドリア型GPx4 (mGPx4)のノックアウト(KO)マウスの網膜について解析を行った。mGPx4 KOマウスでは錐体細胞はその前駆段階で消失していた。一方で、桿体細胞は成熟した発達が認められた後、徐々に細胞死に至った。このcone-rod dystrophy様のフェノタイプは網膜電図でも確認され、ビタミンE食によって部分的にレスキューされることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミトコンドリアは細胞にエネルギーを供給します。ミトコンドリでの脂質の過酸化を防ぐためにglutathione peroxidase 4(GPx4)という抗酸化酵素がありますが、今回の研究ではミトコンドリアにおけるGPx4の発現を消去したマウスの網膜について解析を行い、視細胞という視力や色覚に関わる細胞の細胞死を見出しました。このことによって、GPx4によるミトコンドリアでの過酸化脂質の消去が視細胞にとって必須であることが証明されました。
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