研究課題/領域番号 |
19K18914
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
加藤 達也 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (60641321)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 肥厚性瘢痕 / メカニカルストレス / IL-11 / 創傷治癒 / 皮膚持続的張力付加モデル / IL-11 / IL-11/JAK/STAT3 axis / ケロイド |
研究開始時の研究の概要 |
皮膚の傷あとは見た目以外にも、痛みやひきつれなどが生じ生活の質(いわゆるQOL)を著しく低下させるが、それに対する有効な予防方法や効果の高い治療方法は存在しない。炎症性サイトカインの一種であるinterleukin-11(以下、IL-11)がマウスの傷跡で増加し、さらに傷に引っ張るなどの力を加えることによってさらにIL-11が増加することがわかった。本研究では、IL-11が傷あとに与える影響を検討することによって、ケロイドや肥厚性瘢痕などに対する新しい治療の開拓を目指す。
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研究成果の概要 |
瘢痕に反復する張力などのメカニカルストレスが加わると瘢痕は肥厚し、患者QOLを著しく低下させる。心筋梗塞後の心臓の線維化にIL11が主要な役割を呈することがわかっており、皮膚瘢痕においてもIL-11の発現が増加することが分かった。メカニカルストレスを負荷することで瘢痕における血管新生が増加し、それにIL11が何らかの影響を与える可能性が示唆された。生体内でのIL-11の影響を確認するためマウスの体内にIL11を投与したが瘢痕には明らかな影響は確認できなかった。さらにケロイド患者由来の瘢痕組織においてもIL11 発現の増加は確認できなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心筋梗塞後の心筋線維化にIL11 が影響するのと同様に、皮膚瘢痕においてIL11 が影響を与える可能性が示唆された。メカニカルストレスによって瘢痕が増大するメカニズムに、IL11 が血管新生を介してその一端を担っている可能性が示唆された。皮膚瘢痕は悪化すると顕著に患者QOLを損なうが、現在ステロイド投与などの対症療法が主となっている。IL11 がケロイド・肥厚性瘢痕の治療の標的となる可能性が示唆され今後この解明がさらに進めば、全く新しい治療方法の開発につながると考えられる。
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