研究課題/領域番号 |
19K18920
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
桑原 大彰 日本医科大学, 医学部, 講師 (30614820)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 再建手術 / マイクロサージャリー / レシピエント血管 / 遊離皮弁 / 皮弁 / 動物研究 / 血管 / 吻合 / 動物実験 / ラット / シャント血管 / 血管形態 |
研究開始時の研究の概要 |
悪性腫瘍や外傷などによって広範囲に皮膚や軟部組織が欠損した場合には遊離皮弁での再建が考慮されるが、こと上腹部や側腹部ではしばしば適切なレシピエント血管が存在せず再建方法に難渋することがある。そこで本申請者は、遠隔の静脈を動脈に吻合することで動脈血を有する静脈ループ(シャント血管)を作成し腹部全域をカバーするレシピエント血管を作成することを考案した。臨床応用がなされる際は大伏在静脈と大腿動脈によるループ血管作成を考えているが、今回ラットを用いた動物実験を計画するため、腹壁静脈および腹壁動脈とで作成したシャント血管に対側の腹壁皮弁を吻合し、48時間後および可能な限りの経時的な皮弁生着率を調査する。
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研究成果の概要 |
適切なレシピエント血管が存在しない場合、静脈グラフトを求めるよりも吻合回数や血管処理の手間が減じられるために、手術時間の短縮が可能で安全性の高さが期待できるレシピエント血管を作成することが可能であった。 使用したラットの血管が存外細小(皮弁の動静脈の平均はそれぞれ0.50mm、0.48mm、平均鼠径動脈血管径は0.8mm、鼠径静脈径は0.7mm)であったことや抗凝固薬を使用しなかったことが原因と考えられる合併症症例を除けば全例で皮弁は完全生着した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ループ血管の概念は透析患者でのシャント血管として広く知られる形態であり安全性が証明されている方法論である。悪性腫瘍切除や外傷などによって人体に大きな欠損(遊離皮弁が必要)が生じてかつ適切なレシピエント血管が存在しない場合に、静脈移植のほかにループ血管作成という選択肢が増した。血行動態や血管吻合への圧力などに関しては選択肢た血管や吻合レベルでさらに研究解析を行っていく必要があるものの、シピエント血管不足時に静脈グラフトを求めるよりも術時間の短縮や合併症の低減が期待できる方法であると考えられ臨床応用が期待される。
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