研究課題/領域番号 |
19K18922
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
三浦 隆洋 北海道大学, 大学病院, 医員 (90829433)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 顔面神経麻痺 / 軸索再生 / 低酸素応答 / 末梢神経 / HIF-1α / 低酸素ストレス応答 / 神経移植 |
研究開始時の研究の概要 |
Hypoxia Inducible Factor Prolyl Hydroxylase(HIF-PH)阻害剤は、腎性貧血に対する期待の新薬である。HIFは通常の酸素濃度下ではHIF-PHにより分解される。一方で低酸素状態またはHIF-PH阻害剤投与下では、分解されずに安定化する性質を持つ。本研究ではこのHIFの分解を阻害するHIF-PH阻害剤に着目した。HIF-1αは神経再生および筋再生の両面においてそれぞれ再生が促進されるとする報告がある。顔面神経麻痺に対する神経移植モデルにおいて軸索再生促進および表情筋における筋再生・保護の観点からHIF-1αによる効果を解明する。
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研究成果の概要 |
HIFは酸素供給量を増加させる作用のみならず、様々な役割を担うとされている。本研究ではこのHIFの分解を阻害するHIF-PH阻害剤に着目した。 HIF-PH阻害剤であるDMOG(Dimallyl Glycine)を用いて軸索再生効果ならびに表情筋の萎縮予防効果の検討を行った。ラットモデルを用いた臨床に基づく髭の動きの評価ではコントロール群に比べて顔面神経麻痺の改善が認められた。また有意差は確認できなかったが、DMOG投与群において表情筋の萎縮が低い傾向が認められた。また軸索再生においてもDMOG投与群の方が効果がある傾向が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、再生医療や人工神経(軸索再生誘導チューブ)をはじめとする自家神経移植に代わる様々な神経が研究開発されてきている。しかし一方で、これらの技術はあくまでも自家組織移植を置換することを目標とし研究されているものの、現状は自家神経移植を超越するものではない。顔面神経麻痺に対する神経移植において成績改善を得るためには、再生医療を含めた移植神経そのものの開発だけでなく、移植後の様々な変化を捉え神経再生を促す+αの要素を見いだすことが不可欠である。そのような背景の中でHIF-PH阻害剤は人工神経などに付加することで成績改善をもたらす有効な一つの選択肢となりうる。
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