研究課題/領域番号 |
19K18969
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
山本 恵史 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (10822538)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | exosome / small EV / 唾液 / 透過型電子顕微鏡 / 超音波 / 前処理 / エクソソーム / プロテオミクス / リキッドバイオプシー / 液体生検 / 診断 |
研究開始時の研究の概要 |
体液で診断などを行う液体生検の開発が進められる中、その解析の標的として簡便に採取可能な唾液に含まれるexosomeに着目している。exosomeは細胞から放出される膜小胞で、親細胞由来の核酸やタンパク質を持つ。このことから疾患関連分子をもつexosomeを標的にすることで、鋭敏な液体生検が開発できると考える。しかしながら体液中のexosomeは非常に複雑な集団を形成しており、目的のexosomeを得るためには、その特徴ごとに整理(サブタイプ分け)しなければならない。よって本研究は、ヒト唾液exosomeを密度、タンパク質、形態を基にサブタイプ分けし、その特徴を明らかにすることを目的としている。
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研究実績の概要 |
当該年度では昨年度までで明らかとなった全唾液からexosomeを密度勾配遠心にて精製し、唾液の前処理としての超音波処理のexosomeへの影響についての検討であるが、exosomeは前処理の超音波では小胞の膜を破壊されるようなことはなく、むしろ高粘性をもつ唾液からの精製においては非常に有効な方法であることがわかった。 そこで本年度は透過型電子顕微鏡にて唾液exosomeの大きさを解析、また一次抗体によって修飾されたゴールドのコロイド粒子用いて免疫染色することによって、唾液exosomeに発現するタンパク質と、その粒子の大きさによって、2019年度に明らかにした密度とタンパク質によるサブクラス化の情報をより豊かに明らかにする研究を進めた。 まずは未だ多くの実験者が行っていないポジティブ染色による透過型電子顕微鏡の唾液エクソソーム解析をおこなうため、ポジティブ染色法の条件検討から行なった。密度勾配遠心で精製した唾液exosomeの沈殿物は非常に小さいので、先にパラホルムアルデヒドの固定液で固定させてからレジンへ包埋し、薄切、染色、観察すると、ポジティブ染色によって唾液exosomeらしき小胞を観察することに成功した。次に免疫染色に発展させるために条件検討をおこなった。 包埋、薄切後に、抗原性を高めるために酸処理しCD81抗体修飾金コロイド粒子にて免疫染色を行なったところ、金粒子が小胞膜表面にいくつか結合する唾液exosomeをいくつか捉えることができた。しかしながら唾液exosomeのサイズが予想よりも小さく、金粒子の大きさで小胞が覆われるケースが多かった。また粒子を小さくすると同じ条件で観察できなくなることも予想されるので、今後はより小さい金粒子のサイズでの実験手技の検討が望まれる。
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