研究課題/領域番号 |
19K18973
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
嶋田 勝光 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (10782120)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 角化 / 分化 / 周辺帯 / トランスグルタミナーゼ / 上皮内癌 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔扁平上皮癌(OSCC)は角化傾向が極めて高く分化方向が明瞭なことが組織学的特徴である。高分化型OSCCは予後が良好で、角化がOSCCの生物学的特徴と関連している。高分化型OSCCには、非常に高い分化度を有し「超高分化型」ともいうべきOSCCがあり診断困難である。今回非角化上皮、錯角化上皮、上皮過形成症、高分化型OSCC、低分化型OSCCの5種のヒト口腔上皮から抽出したRNAをマイクロアレイ解析し、角化に深く関与する周辺帯の上流にある各マーカー遺伝子群を決定する。マーカー遺伝子の発現量比較から高分化型OSCCの診断に応用、遺伝子導入により低分化型OSCCから高分化型へ形質変化可能か検討する。
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研究成果の概要 |
まず、口腔の正常な錯角化上皮と非角化重層扁平上皮を用いたRNAシークエンス解析を行うことで、口腔の角化に寄与する遺伝子としてロリクリンを同定した。次に、表皮の3次元培養法を初代歯肉上皮細胞に応用することで、上皮細胞が積層化し経時的な分化を示す錯角化重層扁平上皮モデルを作成した。さらにこのモデルにおいて、錯角化層の形成時にロリクリンおよびその架橋酵素であるトランスグルタミナーゼ3が細胞内に局在し、角化に寄与していると考えられた。最後に、この三次元培養を用いて分化傾向を示す上皮内癌のモデルを作成した。これらの培養モデルを用いて、正常と腫瘍性の分化・角化を比較する手法を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔の重層扁平上皮において、正常な分化・角化モデルと腫瘍性の分化・角化モデルを作成することができた。したがって、このモデルと網羅的な遺伝子解析を併用することにより、正常分化から腫瘍性分化への変化の観点から、口腔癌における腫瘍発生のメカニズムを遺伝学的に解明できる。
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