研究課題/領域番号 |
19K18989
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
前川 祥吾 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (20793574)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 歯周炎 / S100A8 / Catepthin K / RNA sequencing / DAMPs / RNA-seq / 結紮誘導歯周炎 / NGS / 急速な歯周組織破壊 / S100A9 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、PAMPsの影響のない無菌マウスを用いて咬合性外傷や結紮によってDAMPsが誘発されるか、また歯周組織に与えるDAMPsの生物学的影響に関して、NGSを用いて網羅的な解析を行う。さらに通常のマウスと比較を行い、PAMPs影響下におけるDAMPsの働きに関して解析を行うことで、現在の咬合性外傷に対するコンセンサスに生物学的な根拠を追加できるよう模索する。
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研究成果の概要 |
急速な歯周組織破壊を呈する結紮誘導歯周炎歯肉組織を網羅的な遺伝子解析を行ったところ、自然免疫応答の亢進やストレスに対する細胞反応の増加を認めた。同定した発現変動遺伝子のうち傷害関連分子パターン(DAMPs)であるS100A8やS100A9、骨吸収に関連するMMP9やカテプシンKの有意な発現増加を認めた。S100A8およびS100A9は接合上皮部において発現しており、結紮誘導歯周炎にて発現の増加、結合組織への浸潤を認めた。口腔由来ヒト上皮細胞株(Ca9-22)を用いた実験により、S100A8およびS100A9はカテプシンKの発現に関与しており、DAMPsによる急速な歯周組織破壊の一端を解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超高齢社会となった日本だけでなく、世界においても高齢化が進んでおり、また歯周病の罹患率も現在に至る約30年間増加している。歯周炎は主な歯の喪失原因であり、長期にわたる健康的な口腔内環境の確立と維持、疾病予防のためにも、歯周組織破壊のメカニズム解明は重要である。今回、急速な歯周組織破壊を呈する歯周炎モデルから傷害関連分子パターンであるS100A8やS100A9のカテプシンKへの関与、骨吸収に関わるメカニズムの一端を解明することができた。今後の歯周炎の予防、治療に応用することが期待される。
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