研究課題/領域番号 |
19K18990
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
松川 由実 (松田由実) 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (30804554)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 歯周病 / 歯周炎 / メタボライト / 抗酸化 / 機能性脂肪酸 |
研究開始時の研究の概要 |
酸化ストレス/抗酸化ストレス応答のバランスは歯周炎の病態形成に関与することが知られている.近年,乳酸菌が脂質を代謝する過程で産生される中間代謝産物 (メタボライト) が抗酸化作用を有することが報告されたが, 歯周組織におけるこれら機能性メタボライトの抗酸化作用および歯周炎の発症・進行への関与は不明である. そこで, 本研究の目的は, 新規機能性メタボライトの歯周組織における抗酸化作用を明らかにすることで, 歯周炎に対する抑制効果を検討することである. 本研究の成果は,歯周炎のみならず,糖尿病や動脈硬化症を含む全身性の酸化ストレス関連疾患の予防・治療法開発へ繋がることが期待される.
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研究成果の概要 |
乳酸菌が脂質の代謝過程で産生するオキソ脂肪酸であるKetoCは肝臓において抗酸化作用を有することが報告されている。本研究では、KetoCの歯肉上皮における抗酸化作用と、歯周炎病態形成への関与について明らかにすることを目的とした。 結果から、KetoCは、歯肉上皮細胞において抗酸化作用を有し、そのメカニズムとして、脂肪酸受容体GPR120を介したERKのリン酸化、Nrf2-ARE経路の活性化が関与することが明らかとなった。さらに、実験的歯周炎モデルマウスに対するKetoC投与が、口腔内のP. gingivalis数を減少させ、歯槽骨吸収を抑制することが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、機能性メタボライトKetoCの歯肉上皮における抗酸化作用が明らかとなった。脂肪酸由来の機能性メタボライトによる多彩な生体防御作用を、様々な全身疾患の予防・治療に応用しようとする報告は年々増加しているが、口腔内における臨床応用に関する報告はまだ多くない。また、過度の酸化ストレスは、糖尿病や動脈硬化症などの多くの全身疾患の発症・進行にも関与することが知られており、本研究の成果は歯周炎治療のみならず、酸化ストレス関連疾患の予防・治療やアンチエイジングの創薬開発に将来的につながる可能性があるという点において、学術的・社会的意義は大きい。
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