研究課題/領域番号 |
19K18994
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松井 沙織 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教 (90823568)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 高周波根尖療法 / ラット / 感染根管治療 / 歯学 / 歯内療法学 |
研究開始時の研究の概要 |
通常の根管治療では治癒しない難治性根尖性歯周炎に対して,様々な新規治療法の開発研究が行われており,その一つとして,高周波を用いた高周波根尖療法がある。申請者らは,ラット感染根管治療モデルにおいて高周波根尖療法による根尖病変の治癒促進を報告した。本研究では,高周波根尖療法の治癒促進メカニズムを解明するとともに,ランダム化比較試験によるヒト臨床研究にて高周波根尖療法の有効性を評価することを目的とする。高周波根尖療法により,歯周組織の治癒を促進することが科学的に明らかとなれば,現状では外科的処置以外に方法がない難治性根尖性歯周炎罹患歯に対する効果的な治療法となり,臨床成績の向上が期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究では、ラット感染根管治療モデルを用いて高周波根尖療法の治癒促進メカニズムを解明することを目的に、in vitroおよびin vivoにおいて高周波根尖療法の有用性の評価を行った。 その結果、ラット感染根管治療モデルにおいて、マイクロCTによる根尖病変の体積計測の結果、高周波照射により根尖病変の治癒が有意に促進することが明らかになり、根尖部周囲組織の免疫染色の結果、根尖病変の細胞増殖因子が根尖病変の治癒促進に寄与したことを明らかにした。 以上より、将来的に難治性の根尖性歯周炎に対する補助的な治療法となり得ることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現状、通常の根管治療では治癒しない難治性根尖性歯周炎に対しては、一般的に歯根端切除術など外科的な治療が選択されている。しかし、非外科的な処置を希望する患者も多く, 今なお様々な新規治療法の開発研究が行われている。本研究では、高周波根尖療法を用いることによって、既存の根管治療法では制御不可能な根管内や根尖孔外のバイオフィルム形成細菌を制御し、根尖やその周囲の歯槽骨ならびに歯周組織の治癒・再生を促進する可能性を示した。以上より、外科的アプローチ以外に方法がない難治性根尖性歯周炎罹患歯に対して、高周波根尖療法は科学的根拠に基づいた有用な治療法となり、根管治療の臨床成績を向上し得る可能性がある。
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