研究課題/領域番号 |
19K18995
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡本 基岐 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (60755354)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 歯髄 / 第三象牙質 / 創傷治癒 / MMP20 / 覆髄 / ノックアウトマウス |
研究開始時の研究の概要 |
直接覆髄は歯の寿命に直結する極めて重要な処置であるが,現在の治療方法では歯髄を保存できる可能性は決して高くない。細胞外基質分解酵素であるMMP-20が象牙質基質を分解し,その分解産物は歯髄の創傷治癒を促進することが明らかになっているが,MMP-20が硬組織形成に果たす役割はいまだ不明な点が多い。そこで本研究では,MMP-20欠失マウスを用いて,歯髄の創傷治癒および硬組織形成に対するMMP-20の役割を明らかにし,RNAシークエンス解析からMMP-20機能欠失により変化する遺伝子およびシグナル経路を同定することで,新たな分子ターゲットおよび新たな歯髄の創傷治癒メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
歯髄を失うと歯を喪失するリスクが上昇し, 健康寿命にも直結するため, 歯髄の活性を維持する直接覆髄処置は極めて重要である. 一方, 重要な処置であるが, その成功率は低く改善すべき課題である. 本研究では, 直接覆髄の成功率を向上を目指した歯髄の創傷治癒機転に基づく, 新規治療薬開発のため, これまでの研究成果に基づき, MMP-20欠失マウスを用いて実験を遂行した. しかし, 予想に反してMMP-20は第三象牙質形成に必須分子ではないことが示された. そこで, mTOR阻害薬であるラパマイシンを投与するモデルで評価したところ, 修復象牙質形成が再現性をもって阻害されることを明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯髄を失うと歯を喪失するリスクが上昇し, ひいてはQOLや健康寿命に直結する問題であることが示されており,歯髄の活性を維持し治癒に導く直接覆髄は極めて重要な処置である. 一方, 直接覆髄の成功率はあまり高くなく, 現在用いられている直接覆髄剤が歯髄の創傷治癒機転に基づく材料ではないことは解決すべき課題である. 本研究では mTOR分子を阻害するラパマイシンを投与することで, 歯髄の創傷治癒が再現性をもって阻害された. これらの知見は歯髄炎に対する分子生物学的な標的としての可能性を示すとともに先天的な象牙質形成不全や知覚過敏などに対する新たな治療戦略を基盤構築につながるものである.
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