研究課題/領域番号 |
19K18997
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中村 心 岡山大学, 大学病院, 医員 (70837690)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ドラッグデリバリーシステム / 成長因子 / 歯周組織再生 / コラーゲン |
研究開始時の研究の概要 |
歯周病に対する再生治療剤である塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の適応症拡大を目指して,コラーゲン結合ドメイン(CBD)に着目してきた。CBDとbFGFから成るCBFGFを,ラットの水平性骨欠損モデルに投与するとbFGF単体と比較して歯槽骨再生を促進することが示された。CBDと他物質との組み合わせも期待できるが,これまでの大腸菌生産系による融合タンパク質ではコストと時間を要する。そこで,化学架橋法によってCBDと生理活性物質を連結し,その汎用性を高めることを考えた。本研究では,架橋型CBFGFを作製して有効性を確認し,新たな物質としてCBDとBMPから成る架橋型CBBMPの有効性を評価する。
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研究成果の概要 |
塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)製剤が上市されたが,その適応症は限定的である。そこで,コラーゲン結合ドメイン(CBD)とbFGFから成る融合タンパク質(CBFGF)を用いて,組織再生効果を高めることを考えた。本研究では,CBFGFの機能を詳細に検討した上で,化学架橋によってCBDとbFGFを連結することを試みた。まず,ラットモデルを用いて,CBFGFが組織中へ滞留し持続的に活性を発揮することを示した。また,架橋剤によって作製した架橋型CBFGFは,組換融合型CBFGFと比較して分子量が大きかった。bFGFとCBDの架橋反応比率や反応効率について,さらに研究を進める必要がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
bFGF製剤は,局所滞留性や標的特異性に乏しいため,歯周組織再生療法において,適応症が垂直性骨吸収へ限定されている。CBFGFは,bFGFの欠点を克服することによって,水平性骨吸収に対する歯周組織再生療法への応用に加えて,先天性骨欠損や顎堤増大術への応用に寄与できる可能性がある。また,CBDとタンパク質の化学架橋によって,新規の薬剤デリバリーシステムとして,bFGFだけでなく他の生理活性物質への連結など,CBDの汎用性の向上が期待できる。
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