研究課題/領域番号 |
19K18999
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
宗永 修一 広島大学, 病院(歯), 助教 (20825327)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 歯周病 / 関節リウマチ / HuR / エクソソーム / 歯周炎 / RNA安定性 / マウス / HuR |
研究開始時の研究の概要 |
歯周炎は、歯周病原細菌の侵襲に対し免疫応答が生じることで歯周組織が破壊される感染症である。過去の疫学研究から、歯周炎は関節リウマチの発症や病態悪化のリスクとなることが報告されている。しかし、その詳細な機序は明らかになっておらず、全容の解明には様々な因子に着目する必要がある。本研究の目的は、歯周炎で生じたタンパク質などの生理活性物質が、口腔とは離れた組織である関節にどのように到達し影響を与えるのか、そのメカ二ズムを解明することである。そのために、歯周病に関与する炎症性サイトカインIL-6の安定化を行うタンパク質HuR、および細胞から放出される小胞であるエクソソームについて着目し研究を行う。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、歯周病原細菌の刺激により歯周組織におけるHuRおよびエクソソーム産生量が変動するかを検討した。 1)HuRはmRNAの安定化に関与するタンパク質である。歯肉上皮細胞中のHuRは歯周病原細菌の刺激により上昇した。また炎症性サイトカインであるIL-6上昇も認めた。歯周炎マウスの歯周組織においても同様の結果を認めた。 2)エクソソームは細胞から分泌される直径40nmから100nmの小胞であり、唾液、血液などの体液中に認める。歯肉上皮細胞が放出するエクソソーム量は歯周病原細菌の刺激により上昇した。エクソソームを精製し、歯肉上皮細胞の培養下に添加したところ、炎症性サイトカインの上昇を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果より、歯周組織構成細胞が歯周病原細菌の刺激を受けることでHuRおよびエクソソームが上昇する結果を得た。また、実験マウスでも同様の傾向を示した。 歯周病は、関節の腫脹や疼痛を主症状とする関節リウマチ(RA)への関与が示唆されている。HuRの関与により上昇するIL-6やエクソソーム中に含まれる因子はRA増悪に関与する。歯周病細菌の刺激を受けている歯周病患者では、HuRやエクソソームが恒常的に上昇し、RA増悪に関与している可能性が考えられる。 このような機序が明らかになることで、歯周病治療がRA治療の一助となること、およびHuRやエクソソームを標的とした新たな治療につながることが期待される。
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