研究課題/領域番号 |
19K19005
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
中里 茉那美 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (10823841)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | P.gingivalis / 糖尿病 / DPP4 / P. gingivalis / DDP4 / 歯周炎 |
研究開始時の研究の概要 |
歯周炎は2型糖尿病のリスクファクターと示唆されているものの,その分子機構はいまだ明らかではない.2型糖尿病の病態形成機序の1つとして,ジペプチジルペプチダーゼ4(DPP4)によるインクレチンの不活性化がある.申請者はP. gingivalis をはじめとする複数のヒト慢性歯周炎の主要原因細菌種がDPP4 を保有し,ヒトDPP4同様にインクレチンを切断することを明らかにした.しかし,歯周組織局所の病態が2型糖尿病の病態形成と進行に関わるかは明確ではない.本研究では歯周病原細菌の感染による歯周炎モデルマウスを作製し,局所の歯周病原細菌感染がインクレチン切断に演じる役割について検討する.
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研究成果の概要 |
Porphyromonas gingivalisは2型糖尿病と関連が示されている.研究代表者はP. gingivalis dipeptidyl-peptidase (DPP)4がインクレチンを分解,食後高血糖を上昇・延長することを明らかにした.本研究課題ではDPP4以外のDPPが2型糖尿病の病態形成に関与する可能性を検討した.DPP7はDPP4同様にインクレチンを分解し,さらにインスリンも分解することが明らかとなった.またDPP7をマウスに投与すると,血中GLP-1濃度,血糖値とインスリン濃度が低下した.以上より,P. gingivalisは2型糖尿病に関連すると示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯周病原細菌P. gingivalisのDPP4 やDPP7 はインクレチンやインスリンなどの血糖値コントロールにかかわる生理活性物質を切断・不活性化することから,口腔局所に感染しているの本菌の血流への侵入が2型糖尿病の病態形成にかかわることが強く示唆された.以上のことから,歯科処置による口腔内のP. gingivalisの減少は2型糖尿病の予防や病態改善に寄与するものと推察される.
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