研究課題/領域番号 |
19K19006
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
鈴木 允文 明海大学, 歯学部, 助教 (60638518)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 歯周病 / メカニカルストレス / 骨芽細胞 / カルシウムイオンチャネル / 歯槽骨吸収 / 歯周炎 / 外傷性咬合 / TRPV4 / 骨 |
研究開始時の研究の概要 |
歯周炎に罹患している歯に過度な咬合力がかかると急速に歯槽骨吸収を引き起こすと考えられているが、そのメカニズムはいまだ不明な点が多い。そこで本研究では骨芽細胞に発現するメカニカルストレス応答性イオンチャネルTRPV4に着目し、炎症条件下でのメカニカルストレスによる歯槽骨吸収の分子メカニズムの解明と治療法の確立を目的とした。
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研究成果の概要 |
歯周炎の存在下で外傷性咬合が加わると,歯槽骨吸収が急速に進行することが知られているが,その分子メカニズムは未だ不明な点が多い.本研究では骨芽細胞に発現するカルシウムイオンチャネルTRPV4の働きに注目した.マウス頭頂骨由来骨芽細胞をP.g由来LPS存在下で培養後,メカニカルストレスを負荷するとTRPV4 mRNA発現量の有意な変化はみられなかったが,RANKL mRNA発現量は両者の共存下で有意に上昇した.TRPV4の機能を阻害すると,このRANKL mRNAの上昇は抑制された.以上より,TRPV4はLPSとメカニカルストレスによるRANKLの上昇に関与していることが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
炎症とメカニカルストレスによって生じる歯槽骨吸収にカルシウムイオンチャネルTRPV4が関与している可能性が示唆される結果を得た.歯周病の進行には歯周病原細菌がもたらす炎症と外傷性咬合によるメカニカルストレスの両者の関与が明らかであるが,ブラッシングなどの炎症のコントロール方法はある程度確立されている一方で,咬合調整などの咬合のコントロールについてはエビデンスが不足しているのが現状である.今回得られた結果により,将来メカニカルストレスによる歯槽骨吸収が薬物療法によりコントロール可能になれば,歯周病罹患率の低下をもたらし,QOLの向上に寄与することができるものと考えられる。
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