研究課題/領域番号 |
19K19016
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
芝 多佳彦 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教 (90802306)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | インプラント周囲炎 / 歯周炎 / メタゲノム解析 / メタトランスクリプトーム解析 / 細菌叢 / 次世代シーケンサー / オミクス解析 / 複合感染症 / バイオインフォマティクス / 細菌 / オミックス |
研究開始時の研究の概要 |
歯科インプラント治療は歯を失った部位に行う治療方法として、現在広く用いられている。一方でインプラント周囲に歯周病と類似した炎症性組織破壊が生じることが知られている。インプラント周囲疾患の罹患率はインプラント治療患者の約80%と非常に高く、疾患の原因究明と新規治療法の開発は喫緊の課題である。本研究では、インプラント周囲疾患を対象にDNA、RNA、タンパク質、代謝産物を総合的に評価するトランスオミクス解析を行う。その結果を代謝アダプテーションの観点から疾患特異的な代謝状態を明白にし、治療の標的となる細菌種及びホロビオントの観点から宿主を含めた機能遺伝子を特定し新規診断・予防・治療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
同一口腔内のインプラント周囲炎、歯周炎罹患部位から歯肉縁下プラークを採取し、細菌由来のゲノム情報を網羅的に解析することで両疾患の原因解明をおこなった。採取したサンプルからDNA及びRNAを抽出し、16S rRNAアンプリコン、メタゲノム、メタトランスクリプトーム解析を行なった。加えて、ネットワーク解析とLEfSe解析を行うことで、疾患に関連する細菌種の活動性および遺伝子転写活性をインプラント周囲炎と歯周炎で比較した。インプラント周囲炎ではコアとなる細菌種、ネットワーク構造、細菌叢の保有する遺伝子転写活性が異なることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インプラント周囲炎は歯周炎と類似した臨床症状を呈するが、インプラント周囲炎は歯周炎に比べ罹患率が高い。加えて、歯周炎では有効な治療効果が得られた方法を駆使しても必ずしも良好な結果が得られないことが報告されている。歯周炎は様々な全身疾患との関連が考えられており、インプラント周囲炎に関与する細菌もまた 全身の健康に影響を与えると推測される。本研究により疾患特異的な代謝状態、具体的な病原細菌叢のもつ機能を評価し、治療の標的となる細菌種、機能遺伝子を特定し新規予防・治療法の開発を行う。インプラント周囲炎原因の究明と新規治療法開発は喫緊の課題であり、本研究は国民の今後のQOL向上に寄与すると考えられる。
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