研究課題/領域番号 |
19K19017
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
津田 優香 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (70815381)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | フッ化ジアミン銀 / 齲蝕予防 / 齲蝕 / う蝕 / う蝕予防 / う蝕治療 / 根面う蝕 / フラボノイド |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢社会の日本では、高齢者が自身の歯を、より多く保てるようになってきた反面、歯の根にできるむし歯が問題になっている。フッ化ジアミン銀はむし歯の進行抑制に効果が高いが、塗布した部位を黒変させるため使用が敬遠されていた。しかし、フッ化ジアミン銀塗布後にヨウ化カリウムを塗布することで、問題であった変色を防げることがわかってきた。さらに食品由来のフラボノイドが歯の象牙質を保護する効果が明らかになりつつある。本研究では、これらの3種を組み合わせた薬剤塗布法により、より効果的なむし歯の予防、進行抑制法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
1.フッ化ジアミン銀はその塗布によって歯面が黒く着色する。それに対しフッ化ジアミン銀に続くヨウ化カリウムの塗布は、紙面が黒く着色することを防ぎ、塗布後の歯面は乳白色となる。健全歯面に対する塗布では、その後のブラッシングにより着色が減少するが、完全ば色調回復にまでは至らない。また脱灰歯面においては色調回復はより困難となる。フラボノイドの併用は、歯面の硬さの向上を齎すが、フラボノイド自身の色調が歯面への着色に影響するため、フッ化ジアミン銀に続きヨウ化カリウムを塗布した場合でも、乳白色以外の着色を起こすことがある。 2.フッ化ジアミン銀の単独塗布、フッ化ジアミン銀とヨウ化カリウムの併用の両群において、何も塗布しない場合と比較し、ブラッシング後の磨耗量は少なかった。そのため、フッ化ジアミン銀の単独塗布、フッ化ジアミン銀とヨウ化カリウムの併用両者において、機械的刺激からの歯面保護効果があると考えられた。 3.フッ化ジアミン銀の単独塗布、フッ化ジアミン銀とヨウ化カリウムの併用両群どちらにもミュータンス菌に対する効果が認められた。フッ化ジアミン銀単独塗布群は、更に38%と3.8%の二群に分けて比較した。フッ化ジアミン銀単独塗布群(38%)が、フッ化ジアミン銀単独塗布群(3.8%)及びフッ化ジアミン銀とヨウ化カリウム併用群と比較して、より形成されたバイオフィルムの量及び厚みが少なかった。 これらの結果は主に歯面に残存する銀の量に依存すると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は産休を頂いたが、根面齲蝕モデルに関する論文発表や国内学会の参加による意見交換などを行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
フッ化ジアミン銀及びヨウ化カリウムの塗布療法、フラボノイドに関して、より臨床的に効果の高い塗布法について考察する。
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