研究課題/領域番号 |
19K19022
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
大墨 竜也 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30759725)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | バイオフィルム制御 / 薬剤耐性 / 口腔バイオフィルム / バイオフィルム形成関連遺伝子 / sub-MIC / ストレス応答 / バイオフィルム / 最小発育阻止濃度以下 / 外膜小胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、外膜小胞の機能を追求することにより、耐性菌の出現を惹起する抗菌成分に依存したバイオフィルム制御の弊害を克服するべく、非抗菌剤に着目した新規制御法の確立を目指す。 本研究では、(1)ストレス応答時の外膜小胞内容物の局在と(2)非抗菌剤による付着抑制メカニズムの解明と2つの課題を設定した。本研究成果は、注目されてこなかった抗菌成分ストレス応答時の外膜小胞の新たな機能の解明とともに、外膜小胞によるバイオフィルム形成亢進メカニズムの把握に直結し、現行の細菌を標的とした殺菌剤による成熟バイオフィルム制御から、抗菌成分に非依存的な制御戦略への転換につながることが期待される。
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研究成果の概要 |
複合バイオフィルムモデルを用いて,低濃度抗菌成分によるストレス応答時のバイオフィルム形成動態能と,非抗菌剤による付着抑制メカニズムを解析した。バイオフィルム形成過程において,sub-MICのCHX作用によるストレス応答が,抗菌成分による制御法の限界を示唆した。また,非抗菌剤である,機能性糖脂質ビザンチン(Viz-S)は,バイオフィルム構造を不安定にし,S. mutans の菌体表層に結合し,表面性状を親水性に変化させた。これら2つの機序により, Viz-Sは,殺菌剤としてではなく、バイオフィルムの構造的安定性を低下させることによって剥離促進剤として作用することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗菌成分に依存し、耐性菌の出現を惹起する、バイオフィルム制御の弊害を克服するべく、抗菌成分に対するストレス応答の検索と、バイオフィルムの付着抑制効果を有し,非抗菌剤であるビザンチンの口腔内への臨床応用を目指した、新規制御法の確立に向けた検索を行った。本研究の成果は、現行の細菌を標的とした殺菌剤による成熟バイオフィルム制御から、抗菌成分に非依存的な制御戦略への転換につながることが期待される。
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