研究課題/領域番号 |
19K19024
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
神野 友樹 大阪大学, 歯学研究科, 招へい教員 (10839202)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | バイオリアクター / バイオフィルム / 歯科材料 / 抗菌性 / 抗プラーク性 / 歯学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、in situでの修復材料表面へのバイオフィルム形成をin vitroで忠実に再現することを目指して、口腔内に修復材料を固定するためのスプリントを用いて、実際の口腔内で材料表面に形成されるバイオフィルムの性状を解析した後、独自のバイオリアクターを構築して、口腔内と同量・同等のバイオフィルムを材料表面に再現できる培養条件を検討する。そして、最初の評価対象として亜鉛含有ガラス配合充填用セメント上でのバイオフィルム形成抑制効果を、確定した培養条件のもとでバイオリアクターを用いて評価し、抗菌性・抗プラーク性に関する臨床的な有用性を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、まず、独自のバイオリアクターを新たに構築し、修復材料表面での口腔バイオフィルム形成を再現するための培養条件を検討した。その結果、構築したバイオリアクターを用いて、ヒト唾液由来の細菌懸濁液をスクロースとともに材料表面に滴下しながら培養することで、実際の口腔内で形成されるバイオフィルムの厚みや細菌数、生菌率を再現することが可能となった。さらに、構築したバイオリアクターを用いて、亜鉛含有ガラス配合セメントの抗菌・抗プラーク性を評価したところ、亜鉛含有ガラス配合セメントは材料表面でのバイオフィルム形成を抑制することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔内でのバイオフィルム形成を模倣するために、これまで、種々のバイオリアクターが開発されたが、それらのほとんどは実際の口腔内でのバイオフィルムの性状を再現することを狙ったものではなかった。本研究により、独自に構築したバイオリアクターを用いて、in situでのバイオフィルム形成をin vitroで再現することが可能となったことで、本培養システムは、修復材料だけでなく、口腔内で使用するさまざまな材料の抗菌・抗プラーク性の評価にも応用でき、感染性疾患の発生予防に役立つ新たな抗菌性材料の開発に繋がるものと期待される。
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